検索

東大模試と甲子園決勝の日程がかぶり「痛恨のミスでした...」 智辯和歌山→東大野球部主務・奥畑ひかりは「選手と同じくらい野球一色」 (3ページ目)

  • 門脇 正法●取材・文 text by Kadowaki Masanori
  • 田中 亘●撮影 photo by Tanaka Wataru

【選手のやりたいことをいかに支援できるかが役割】

ーー実際にはみごと東大文科3類に現役合格。野球部マネージャーになるわけですが、入部の前後で、なにかギャップはありましたか?

 受験生の時から、マネージャーのブログをずっと読んでいて、そのなかに引退する4年生が書く『僕の野球人生』というコンテンツがあるんです。けっこう赤裸々に内情も書かれていて、それを知っていたのであんまりギャップは感じませんでした。

ーー主務として奥畑さんも選手たちに負けないくらい熱いと思います。

 私がいる文3の人文学科は卒論がないんです。その分、野球一色になってますし、私は野球を見るのが一番好きなので、都市対抗とかの社会人野球や全日本大学野球も見に行ったりと、この3年間、選手たちと同じくらい野球しかない感じになってます(笑)。

ーー昨シーズンの秋季リーグでは2勝を挙げるなど、東大野球部はどんどん強くなってきている印象です。主務として、チームが強くなってきたポイントはどこにあると思いますか?

 私たちの代でいうと、東京六大学のベストナイン(中山太陽/栃木・宇都宮高出身)がひとり出たのをきっかけに、ベストナインが東大の選手たちにとってめざせるところになったのは、大きいポイントかなと思っています。それと、私たちと入れ替わりの代の先輩たちが、東大の連敗を止めてくださってから、東大の勝利があまりめずらしいことではなくなってきたのもポイントかな、と。

この記事に関連する写真を見る

ーー"異例の一戦"として話題になった3月7日の横浜高校との練習試合は、東大側からの打診で実現しました。そうした新しい挑戦をする姿勢が強さにつながっているのかもしれません。

 横浜高との試合は、主将の杉浦海大(神奈川・湘南高出身)の案。杉浦は本当に熱い人で、東大野球部のダメなところはどんどん変えていこうというタイプなんです。そういう選手たちのやりたいことを、いかに裏側からサポートして実現していけるかが、私たちマネージャーやスタッフの仕事であり、主務の私の仕事になると思ってます。

ーー六大学野球の春季リーグが4月12日に開幕します。主務として達成できたら一番うれしいことはなんですか?

 やっぱりそこは勝ち点です。昨シーズンの秋季リーグでは同一カードで2つ勝てなかったので、3つ目を勝ち取りたいです。

ーー久しぶりに東大が勝ち点を取ったら、奥畑さんはどうなっちゃうのでしょうか?

 あんまりうれし泣きとかをするタイプじゃないんで、どうでしょう......。ふつうに喜ぶかな、と(笑)。実際にプレーしているのは選手たちなので、そういう部分ではちょっと客観的な自分がいるって感じです。

ーーもしも東大が優勝したら、その時は思いきり喜べそうですか?

 わからないですけど、死ぬまでに東大の優勝は見たいです。

3 / 4

キーワード

このページのトップに戻る