東大野球部初の女性主務・奥畑ひかりの進路を決めた野球愛 母校の智辯和歌山は「野球好きにとって最高の環境でした」
東京大学野球部主務・奥畑ひかりさん インタビュー前編(全2回)
1919年に創部した東京大学野球部に、女性初の主務(マネージャーの責任者)が誕生した。自他ともに認める大の野球好き、新4年生の奥畑ひかりさんだ。そんな彼女は、どのように野球と出会って、東大をめざし、野球部のマネージャー、そして主務に就いたのか? 奥畑さんの野球に対する一途な思いを、ここに明らかにしてみよう。前編は、主務の仕事や野球愛を育んだ子ども時代について。
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【きっかけは六大学野球初の女性主務】
ーーまずは東大野球部の主務就任、おめでとうございます! こうして記事に取り上げられることをどう思いますか?
奥畑ひかり(以下同) ありがとうございます。私自身、2018年に東京六大学野球連盟で初の女性主務になった慶應義塾大の小林由佳さんの記事を読んで、六大学野球でのマネージャーを志望しました。だから私の記事が、将来大学でマネージャーをしたいと思っている高校生や中学生にとって、なにかのきっかけになってくれたらいいかなと思っています。
ーー東大野球部の主務は、野球部のなかではどんな存在ですか?
東大野球部では、グラウンド内に主将とふたりの副将がいて選手たちをまとめていますが、グラウンド外には主務とふたりの副務がいて、マネージャーたちをまとめているんです。基本的にグラウンド外のことをすべて仕切っているのが、主務だといって過言ではないと思います。
ーー具体的に、どんな仕事をするんですか?
練習試合を組んだり、合宿の手配であったり、副務のひとりにはPRや広報活動を、もうひとりの副務には会計を担当してもらっていたり。マネージャー内でいろいろな仕事を分担しています。そうした仕事の最終的な責任を負うのが、最高学年の主務です。
ーー主務に就任して数カ月が経ちましたが、ここまでいかがですか?
私は、マネージャーの仕事のどれも好きで全部楽しいですが、主務に就任してからは東大野球部だけでなく、東京六大学野球連盟にも関われることに楽しさを感じています。
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著者プロフィール
門脇正法 (かどわき・まさのり)
マンガ原作者、スポーツライター。1967年、埼玉県生まれ。日本女子体育大学大学院スポーツ科学研究科修士課程修了。アニメ『ドラゴンボールZ』の脚本家である小山高生氏からシナリオを学び、マンガ原作者デビュー。特にスポーツアスリートの実録マンガを得意としており、『世界再戦ー松坂大輔物語ー』(集英社/少年ジャンプ)、『好敵手ー室伏広治物語ー』(同)、『闘球「元」日本代表ー福岡堅樹物語ー』(集英社/ヤングジャンプ)の原作を担当。現在はマンガの原作だけでなく、「少年ジャンプ」のスポーツ記事特集『ジャンスタ』を中心に、『webスポルティーバ』の「文武両道の裏側」など、スポーツライターとしても活躍中。著書に『バクマン。勝利学』『少年ジャンプ勝利学』(ともに集英社インターナショナル)などがある。