【夏の甲子園】4人のスカウトに聞く注目投手のリアル評価 「上位指名間違いなし」と絶賛されたピッチャーは? (2ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka

「とにかく可能性を感じます。左で、しかもあのサイズでスピードが出る。1カ月くらい前は、アベレージの球速が135キロから140キロぐらいだったんだけどね。変化球もカーブであれだけストライクを取れるのがいい。現状、まだ完成度は低いけど、将来が楽しみ。上位から真ん中ぐらいで指名があるかもしれない」(パ・リーグスカウトA氏)

「春はよくなかったけど、6、7月で一気に伸びてきた。身長は198センチあるけど、腕の振りはコンパクトだし、球速もあって、変化球もしっかりコントロールできている。体が硬そうなのが少し心配だけど、体力がついてくればもっとスピードも出るだろうし、上位候補でしょう」(パ・リーグスカウトC氏)

関東一の最速151キロ右腕・坂井遼 photo by Ohtomo Yoshiyuki関東一の最速151キロ右腕・坂井遼 photo by Ohtomo Yoshiyukiこの記事に関連する写真を見る

【関東一の151キロ右腕・坂井遼の評価は?】

 下級生の時から名前が挙がっていたのが、広陵の高尾響。4季連続で甲子園のマウンドを踏むなど、実績は十分。だが、昨年春はベスト4に進出したものの、今年は春は2回戦、夏は3回戦敗退と力を発揮できずに終わった。

「ピッチングと人物は最高ですね。すばらしい。ただ残念だったのが、春よりも真っすぐの威力が落ちていたこと。春は突き抜けるような真っすぐを投げていたけど、この夏は普通でしたね。プロで年間を通して投げることを考えた時に、これは厳しいですよね。評価できるのは、高いテクニックと意識。ギアが三段階ぐらいあって、ちゃんと使い分けられている。これができる高校生は、そういないですよ」(セ・リーグスカウトB氏)

「高校生ではトップランクのピッチャー。ただ、プロに入るとどうか......。真っすぐが特別すごいかといったらそうではないし、針の穴を通すコントロールがあるかといったらそうでもない。ただ、熊本工戦の9回に投げた左打者への内角のストレートはすばらしかった。ああいう"渾身の一球"を投げられるというのは、アピールできたと思う」(パ・リーグスカウトC氏)

「完成されている。めちゃくちゃいいピッチャーですよね。熊本工戦で投げた左バッターのインコースへのストレートはしびれました。思わず声が出るぐらいいい球でした。あの球を増やせるかどうかでしょう。それができれば、攝津正(元ソフトバンク)のようになる可能性がある。ただ、やっぱり身長172センチとサイズがないので、1年間投げる体力を考えると厳しいかもしれません」(セ・リーグスカウトD氏)

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