佐々木麟太郎にスタンフォード大が超本気...学費全額免除に入学前チーム合流の特別待遇「チームメイトからも一目置かれる存在」 (3ページ目)

  • 富永 遥●取材・文 text by Tominaga Haruka

【英語力は上達しチームに溶け込んでいる】

 周囲からの大きな期待を背負って始まったアメリカでの挑戦。これから、麟太郎は厳しい環境のなかに身を置き、必死にしがみついて夢に向かって前進していく。同時に、一流大学ならではの多様性あふれる仲間との出会いや、刺激的で充実した日々が待っているだろう。

 麟太郎は寮に入っているが、さまざまな学生と交わり視野がより広がるようにと、野球部以外の学生と一緒だという。こうした配慮からも、名門スタンフォード大学のすごさを感じられる。

 麟太郎はアメリカに渡って、2カ月が過ぎた。

 友永氏は「すでにチームにも溶け込んでいて、麟太郎君の英語力も会うたびに上達している。非常に頼もしいです」と絶賛している。

「最近は、通学や広大なキャンパス内の移動のために、チームメイトのアドバイスで電気自転車を購入しました。麟太郎君は、アメリカでまだクレジットカードをつくれていないから、『友永さん、立て替えしてください』と連絡がきましたよ(笑)。次にサンフランシスコへ行ったら、それもサポートしてあげないといけないことのひとつです」

 冗談を交え、友永氏は麟太郎の充実した現地生活について語る。麟太郎にこんなアドバイスもしたという。

「今の麟太郎君があるのは、高校で積み上げてきた実績があるから。次のステップに行くには、もう1ランク積み上げしないと3年後の自分はいないかもしれない。次のチャプターを切り開くためにもうひとつランクを上げていこう、と伝えました」

 佐々木麟太郎の挑戦は始まったばかり。希望と夢を胸に、次世代の道しるべとなっていく彼を応援していきたい。

前編<「あの大谷翔平より多くホームランを...」佐々木麟太郎にアメリカ28大学からオファー殺到「すごい接待でした」進学のキーマンが明かす>を読む

【プロフィール】
友永順平 ともなが・じゅんぺい 
1967年、福岡県生まれ。早稲田大野球部では、同期に千葉ロッテマリーンズやニューヨーク・メッツで活躍した小宮山悟氏(現・早稲田大野球部監督)らがいる。早稲田大卒業後、USC(南カリフォルニア大)へ留学。その後、1998年から日米大学野球に携わり、全日本大学野球連盟とアメリカ連盟の間に入り大会の運営を担う。アメリカ開催の場合は日本チームにつき、日本開催の場合はアメリカチームにつき通訳を兼ねながら日米の多くのトップ選手のよき相談相手になっている。ロサンゼルス在住。

プロフィール

  • 富永 遥

    富永 遥 (とみなが・はるか)

    1988年、北海道苫小牧市生まれ。旧姓は髙嶌。アイスホッケー元日本代表として、世界選手権やオリンピック最終予選に出場。早稲田大スポーツ科学部卒業後は、スイスとドイツのトップリーグでプレーした。現役引退後は三菱電機に就職し、日本オリンピック委員会へ出向。その後、スポーツ業界へ転職し、早稲田大競技スポーツセンター、日本スポーツ振興センター、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会に勤務のほか、五輪でアイスホッケーのゲストスタジオ解説を務めた。2021年よりアメリカ・カリフォルニア州在住。漫画『ピーナッツ』の作家・シュルツ家が設立した「Snoopy's Home Ice」で、スケーティングコーチとして活動している。また、アメリカで活躍するアスリートやスポーツ関係者への取材を通して次世代を応援する記事の執筆を目指している。

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