佐々木麟太郎にスタンフォード大が超本気...学費全額免除に入学前チーム合流の特別待遇「チームメイトからも一目置かれる存在」 (2ページ目)

  • 富永 遥●取材・文 text by Tominaga Haruka

【超難関のフルスカラーシップを獲得】

 大学側からのバックアップはすでに相当なものであるが、まずはNCAA(全米大学体育協会)の規定で学業成績を一定以上にキープしなければ、そもそも野球ができないし、試合に出場することも当然できない。

「とくにフルスカラーシップ(学費全額免除)で入学する麟太郎君が、試合に出場できないということは避けなければならない」(友永氏)

 アメリカでは、学生としての本職である「学業」が第一だと考えられているからだ。

「アメリカの大学では自分から手を挙げれば、必ず助けてくれる。わからないことはそのままにせず、周りに聞くこと」。友永氏は、麟太郎にそうアドバイスをしたという。

 そもそも、NCAAの最高レベルカテゴリー「ディビジョンⅠ」に位置する大学で野球をすること、フルスカラーシップを獲得することはどれほどすごいことなのだろうか。

 NCAAのリサーチでは、2022〜2023年のアメリカにおける男子高校生の野球人口47万8000人のうち、およそ2.4%(2024年4月1日更新)がアメリカの大学ディビジョンⅠで野球に取り組んでいるというデータがある。

 また、NCAAの規定では、2024〜2025年のアカデミックイヤーは、ディビジョンⅠの野球部は各チーム40名のみの選手登録が認められている。

「ディビジョンⅠで野球をする資格があるのは、野球部からスカウトを受けた学生のみです。ディビジョンⅠで野球をするということは、日本の社会人野球に所属するのと同じイメージです」と友永氏は表現する。

 そして、NCAAによると、大学で競技をするためのスカラーシップを獲得できるのは、高校生アスリートのわずか2%。ディビジョンⅠの野球部では、2024〜2025年のアカデミックイヤーは各大学最大32人の学生がスカラーシップを受けられるが、選手が受け取る配分率は異なる。

「麟太郎君は激しい競争率のなかで、学費、寮費、食費、授業料などすべてをカバーできるフルスカラーシップを獲得しました」(友永氏)

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