仙台育英の最速右腕・湯田統真が153キロに到達した方法 つかんだ理想のバランス感覚 (4ページ目)
高校生の域を超えた武器。今の湯田は、それを巧みに活用できるようになった。
「先発で投げるとすれば、ずっと高い出力では投げられないじゃないですか。だから、バッター一人ひとりにしっかり投げていくなかで『ストレートを張っているな』と思えば緩いカーブとスライダーをあえて真ん中に投げてみたり、あえて遅いストレートを投げたり。『スライダーを待っているな』と感じれば、狙っても打てないくらい変化するスライダーを投げたり。そういうピッチングができるようになったことが成長かなって思います」
今年の「仙台育英最速右腕」は、スピードにこだわることはない。相手の狙いをあざ笑うかのように見透かし、マウンド上で相手を手玉にとる。それが、対戦チームにとっての脅威となる。
著者プロフィール
田口元義 (たぐち・げんき)
1977年、福島県出身。元高校球児(3年間補欠)。雑誌編集者を経て、2003年からフリーライターとして活動する。雑誌やウェブサイトを中心に寄稿。著書に「負けてみろ。 聖光学院と斎藤智也の高校野球」(秀和システム刊)がある。
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