花巻東・佐々木麟太郎が先輩・大谷翔平の姿から学んだこと 最後の夏への思い (2ページ目)
【目に焼きつけた大谷翔平の姿】
常にアグレッシブに──。今年3月に行なわれた第5回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で、花巻東の先輩にあたる大谷翔平(エンゼルス)の躍動する姿は、麟太郎にとって大きな刺激になったという。
「合流してからはチームメイトとコミュニケーションをしっかりとって、試合ではプレーだけでなく、声でチームを引っ張っていました。(準決勝のメキシコ戦では)1点ビハインドの最終回に二塁打を放ち、ベース上でベンチに向かって吠えて、チームを鼓舞する姿は印象に残っています。そういうことが大事なんだと、翔平さんの姿から学ぶことは多かったです」
花巻東のユニフォームを着て挑む高校最後の夏。麟太郎は心に強い思いを宿らせ、「1試合、1打席、1球を大事にしていきたい」と語る。
「夏への思い入れは強い。チームのために勝ち抜きたいと思います。プレッシャーもありますが、その重圧をはねのけ、今年の夏はチームとして壁を乗り越えたいです」
高校1年夏は岩手大会決勝で最後の打者となった。昨年夏は準決勝で涙を呑んだ。そして迎える三度目の夏、世代屈指のスラッガーが花巻東に4年ぶりの夏制覇を手繰り寄せ、甲子園への扉を開く。
著者プロフィール
佐々木亨 (ささき・とおる)
スポーツライター。1974年岩手県生まれ。雑誌編集者を経て独立。著書に『道ひらく、海わたる 大谷翔平の素顔』(扶桑社文庫)、『あきらめない街、石巻 その力に俺たちはなる』(ベースボールマガジン社)、共著に『横浜vs.PL学園 松坂大輔と戦った男たちは今』(朝日文庫)などがある。
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