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新バット導入で高校野球がどう変わるか 名将・前田三夫が展望「大味な試合は減る」「チームづくりは年ごとに変化があるかも」 (2ページ目)

  • 藤井利香●取材・文 text by Fujii Rika
  • 村上庄吾●撮影 photo by Murakami Shogo

●選手へのアドバイスは「基本」「個の味」

ーー投手受難の時代から、今後高校野球はどう変わっていくでしょうか?

前田 これまで一発や長打で決まる試合が多々ありましたが、そんな大味な試合は間違いなく減るでしょう。本来、野球にはいろいろな攻め方があります。

 東東京大会でのことですが、私も監督時代に立て続けに初球エンドランを出したことがあります。1イニングに7回だったかな。相手も慌てただろうけど、帝京の選手はボールに飛びつきながら打っていましたね。

 盗塁やエンドランなど小技をどんどん使ってしかけていけば、主導権を相手に譲ることなく試合を進めることができる。相撲でいう前褌(まえみつ)のとり合いが面白いんですよ。

 チームとして1点をとるためにどんな戦術があるのか。そこをしっかりと考え、中身の濃い野球を見せてほしいと期待しています。

前田氏も新バットを試し打ち前田氏も新バットを試し打ちこの記事に関連する写真を見るーー選手それぞれにはどんなアドバイスがありますか?

前田 基本に立ち返って正しい打撃フォームを身に着けることと同時に、自分ならではの味を積極的に出したプレーをしてほしいですね。足が速いとか、バントが巧いとか、特性を活かしてほしい。

 ロングヒッターばかりでなく、いろいろな選手がいるチームのほうが多彩な攻撃ができる。セオリーどおりでなくていい、今までにない戦法がたくさん生まれたら野球の魅力も増すはずです。

ーー投手に対してはいかがでしょうか?

前田 変化球に頼りすぎることなく、思いきって投げ込む。そして、制球力をこれまで以上に磨くことでいい勝負ができると思います。

 一方で、相手は小技を多用してくるかもしれない。状況判断をしっかりと、慌てずプレーしてほしい。これはディフェンス面全体にいえることですね。

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