新バット導入で高校野球がどう変わるか 名将・前田三夫が展望「大味な試合は減る」「チームづくりは年ごとに変化があるかも」 (3ページ目)

  • 藤井利香●取材・文 text by Fujii Rika
  • 村上庄吾●撮影 photo by Murakami Shogo

●ロースコアゲームが増える可能性

ーーロースコアゲームが増え、強豪が足元をすくわれたりするかもしれませんね。

前田 長打が減ると考えると、コールドゲームが減ってロースコアの試合が増える可能性は大ですね。1点をしつこくしつこくとっていく、そんな意識の強いチームが勝ち残っていくのかなと。

 また、選手の特性をより活かすことで、チームのつくり方にも年ごとに変化があるかもしれない。そのあたりは指導者の腕の見せどころですね。

2年の奈良飛雄馬選手は新バットについて「下半身からしっかり使って打つ必要がある」2年の奈良飛雄馬選手は新バットについて「下半身からしっかり使って打つ必要がある」この記事に関連する写真を見るーー指導者へのアドバイスとしては?

前田 1点をとるためにどんな野球ができるのかという戦術面。また、選手に正しいバッティングフォームとコースの打ち分けを指導できるよう、あらためて勉強する必要があるでしょう。

 そして、選手一人ひとりの特性を見抜き、それを伸ばしながらチームづくりに活かすことが大事と考えます。

ーーバット選びについてですが、まずは日本高野連から各チームに2本、無償で提供されることになっています。

ゼット・石神弘一(以下、石神) 2本のうち1本は、各チームが指定したものを日本高野連が準備してくれます。もう1本は無作為で選ばれ、どのメーカーになるかはわからないということです。

前田 1本は事前申請したバットですが、あと1本はそれとは異なるバットを準備してくれるということだね。

石神 そうなるのではと思います。我々も含めて各メーカーともに、現段階ではどれくらいの数を用意する必要があるのか手探りの状態です。

 今後、高野連からの通達を待って本格的な準備に入ることになります。各チームへの納品の時期についても、今のところいつということははっきりと言えません。

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