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U18日本代表のエースは? 前田悠伍超えを狙う全国未経験の152キロ左腕など多士済々の有望投手たち (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 それでも、この高校トップクラスが集う紅白戦で見せた快投は、前田の実力を雄弁に物語っていた。ライトの守備からベンチに戻ってきた武田陸玖(山形中央)は、「ガチで速い......」と驚いた表情を見せていた。

 スライダー、チェンジアップなどバリエーション豊富な球種を操り、泰然としたマウンドさばきも健在。何事もなければ、U18日本代表のエースは前田で決まりだろう。

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【全国大会未経験の152キロ左腕】

 一方、前田とともにドラフト上位候補に挙げられる東松も、インパクト十分の投球を見せた。

 3回を投げて被安打3、奪三振3、四死球0、失点1。身長178センチ、体重89キロのたくましい肉体から、150キロに迫ろうかという剛速球を次々に投げ込んだ。紅白戦のあと、U18日本代表の馬淵史郎監督(明徳義塾)は「ボールの勢いがあった」と東松を評価した。

 ただし、1球ごとのムラが激しく、東松は「納得のいく真っすぐは半分くらいでした」と振り返る。登板後には前田の元へ赴き、変化球の投げ方に関するアドバイスを求める貪欲さも見せた。

 この日のベストボールは、武田から空振り三振を奪った外角へのストレートだろう。しっかりとボールの縫い目にかかったボールは、捕手のミットを激しく叩くエネルギッシュな剛速球だった。そのボールについて聞くと、東松の顔が一瞬にしてパッと明るくなった。

「あれはいいボールがいきました。高さはもうひとつ低くしたかったですけど。悪い時は肩に力が入ったり、下半身が使えなかったりするんですけど、いい時は余計な力が入らなくて一連の動作がパッと決まる感じで投げています」

 高校生活で全国大会未経験の東松だが、この合宿で大きな手応えを得たようだ。

「自分の力強い真っすぐは馬淵監督やスカウトのみなさんには見てもらえたと思います。あとは変化球をもっと練習していきます」

 紅白戦後に馬淵監督が前田とともに「非常に完成度が高い」と賛辞を送ったのが、髙橋煌稀(仙台育英)だった。

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