真鍋慧は木製バットでも快打連発 U18日本代表強化合宿で見せた圧倒的パフォーマンスにスカウトは何を思う? (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 一塁守備ではぎこちない身のこなしでエラーを犯すシーンもあったものの、スローイングは力強い。ふだんの練習では、将来を見据えて三塁守備も練習している。

 今回の合宿ではライバル格である佐々木麟太郎(花巻東)が招集されなかったため、直接的な比較はできなかった。多くのスカウト陣の前で見せた圧倒的なデモンストレーションは、真鍋の運命を変えるかもしれない。

【捕手は堀柊那と鈴木叶が猛アピール】

 もうひとりの一塁手スラッガー・佐倉侠史朗(九州国際大付)も合宿で進化を見せた。ウォーミングアップ中には巨体ながら軽やかなジャンプを披露。昨年までの鈍重なイメージを塗り替える身のこなしだった。

 一時115キロまで達した体重は、ダイエットによって100キロまで減ったという。ただし、その後、腰痛を発症した影響で運動量が減り、合宿時の体重は106キロだった。佐倉は「100キロジャストだと足もそれなりに速くなって、打ててもいました」と語る。

 打撃練習では真鍋ほどのアピールはできなかったものの、紅白戦では6打数3安打と結果を残した。そのうち2安打は杉山遙希(横浜)、東松快征(享栄)と左投手からマークしている。

 同じ右投げ左打ちの大型一塁手である真鍋について、佐倉はどう見ているのか。

「自分よりとらえる確率が高いのと、ボールの見極めができていると感じます。初球から難しいボールに手を出すのではなく、2ストライクからも見極めてボール球を選べる。僕よりすごいなと感じます」

 高校通算25本塁打の発展途上のスラッガーは、今後の進路について「いや、まったく何もわかっていません」と語る。今春以降に減量効果が結果として表れてくれば、道は拓けてきそうだ。

 捕手では堀柊那(報徳学園)、鈴木叶(常葉大菊川)の両巨頭が存在感を見せた。とくに評価を高めたのは鈴木だろう。

 快足の多田羅浩大(智辯和歌山)の盗塁を刺した強肩だけでなく、打撃練習では力強い振り抜きで快打を連発。やや木製バットの扱いに手間取った感のある堀を凌駕する内容だった。

 紅白戦では7打数0安打に終わったものの、攻守に高い潜在能力を感じさせただけに、堀より高く評価するスカウトがいても不思議ではない。

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