「高校ナンバーワン捕手」は早くも確定か 報徳学園・堀柊那はたしかな技術と天性の華でドラフト上位候補になる (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 抜くところは抜き、入れるべきところを入れる。堀の捕手姿が絵になるのは、こうしたメリハリが抜群にうまいからだろう。まるで熟練の歌舞伎役者を見ているように、ひとつひとつの所作に華がある。

 その一方で、本人が「調子の波がある」と頭をかく打撃面で、力みを感じるのだから不思議なものだ。

 2021年は松川虎生(ロッテ)、2022年は松尾汐恩(DeNA)と高校生捕手がドラフト1位で指名された。この両者と比較すると、現時点での堀は打撃面で劣ると言わざるを得ない。

 その代わり、堀には捕手としてたしかな技術力と、天性の華がある。まだまだ続く高校生活のなかで、堀柊那という稀代の捕手はどこまで進化するのか。きっと多くの野球ファンが、堀のプロテクター姿に吸い込まれるように魅了されていくはずだ。

『離島熱球スタジアム』 鹿児島県立大島高校の奇跡

 【タイトル】『離島熱球スタジアム』 鹿児島県立大島高校の奇跡
【著者名】菊地高弘
【発売日】2023年3月3日
【本体定価】1760円(税込)

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著者プロフィール

  • 菊地高弘

    菊地高弘 (きくち・たかひろ)

    1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。

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