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石橋貴明が「鬼監督」をもネタにしたヤンチャな帝京高野球部時代。前田三夫は「面白いから文句は言えなかった」 (2ページ目)

  • 藤井利香●取材・文 text by Fujii Rika
  • 村上庄吾●撮影 photo by Murakami Shogo

石橋が前田監督に激怒

 その後、兄の影響で貴明も帝京野球部の門をたたく。兄同様体が大きく、野球をやるうえで大きな武器だった。ところが......。当時のエピソードはすでにお笑いのネタとして多くの人の知るところだが、ちょっと目を離すと練習をサボるヤンチャぶりは、どうやら兄以上だったようである。

石橋貴明との思い出を笑顔で語る前田名誉監督石橋貴明との思い出を笑顔で語る前田名誉監督この記事に関連する写真を見る「当時はバットをチャンバラ道具にして遊ぶような選手ばかりで、指導は野球道具の扱い方から教えました。バット工場へ連れて行って、1本の木から職人の手によって作られる工程を見させ、大切にするよう教えたこともあります。

 ただ石橋の頃になると帝京が少しずつ強くなり、部員数が急激に増えていったんです。それを私ひとりで見なければならず、指導しきれない時はよく下級生をグラウンドの外に出して、近くを流れる石神井川沿いをずっと走らせていました。

 ある日、石橋が練習中遊んでいるから、川沿いを走れと外に出したんです。ところがそのことを私がうっかり忘れ、グラウンド練習を終えて帰ってしまった。石橋は置いてきぼりですよ。さすがに私には言えなかったみたいですが、翌日学校に来て仲間にえらく怒っていたそうです。それは確かに申し訳ないことをしたなと(笑)。とにかくヤンチャな男でしたから、そんな思い出は尽きませんね」

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