父・渡辺俊介と同じサブマリンの東大野球部・向輝。参考にするのは牧田和久と中川颯で「父の投げ方はやりづらい」 (4ページ目)

  • 門脇正法●取材・文 text by Kadowaki Masanori

参考にしているのは中川颯投手と牧田和久投手

ーー6月のフレッシュトーナメントで神宮のマウンドに立ちました。どんな気持ちでしたか?

 やっぱり、フレッシュトーナメントですらお客さんがけっこう入っていたので、六大学野球の注目度の高さはすごく感じました。

ーー投げてみて、自分に足りないものが見えてきましたか?

 まずは受験期で身体がものすごく鈍ったので、とにかく動くことを意識しています。ずっとオーバースローだったのをアンダースローに変えたので、まだ下から投げるための身体づくりがうまくできていないんです。

 実戦に入れてもらって、アンダースローで投げるいいフォームも見つけつつ、配球もまだわからないことが多いので、先輩のキャッチャー、それこそ松岡さんにも教えてもらいながら、やっているところです。

 ずっと野球をやってきましたが、今が一番野球にかけている時間が長いですね。

ーー現役時代のお父さんをはじめ、参考にしているアンダースローの投手はいますか?

 立教大学で活躍して、オリックス・バファローズに入団した中川颯投手の当時のデータを見ながら配球を勉強しています。中川投手は、ボールの質で打者を抑えているイメージがあります。スライダーなどの変化球の質が高いイメージです。

 牧田和久投手(埼玉西武ライオンズほか)は、タイミングの崩し方がものすごくうまいなと思います。このタイミングでバッターは絶対に突っ込んでくるだろうから、時間を空けてやろうというような、頭を使って投げていてとても参考にしています。

 父親の投げ方は、どうなんですかね。前後を使っているイメージがあります。バッターが前に突っ込むか後ろに刺されるかという、ほとんどそれだけで抑えている印象があって、本人もそういうふうに言っていました。どうしても自分は父に比べて身体が小さいので、腕のリーチが短くて、それがちょっとやりづらいなと思います。

 一応、父からはいろいろとアドバイスをもらう時に、その前後の話をしてもらうんですけど、そっちよりも牧田投手のほうが自分に合っているかもしれないと思いました。

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