聖望学園が浦和学院を下し、13年ぶりの甲子園へ。6年前、高橋昂也に夢を阻まれたOBが後輩たちにエール (4ページ目)

  • HISATO●取材・文 text by HISATO

 聖望学園の伝統は、「型にはまらないこと」と西川は言う。岡本監督もキャリアは長いが、決まった「型」はない。聖望は選手に自由があり、伸び伸びと野球をやる。個性を抑えることなく、それを発揮しながら力を合わせていく。

「仲はいいけど、それだけじゃないんです。闘争心もすごくあって自分に満足することがない。それは、今の僕の野球にも生きています」

 毎年一度は母校を訪れる。そこで出会った仲間や指導者は、今も大切な存在だ。夢見た切符を勝ちとった後輩たちに、西川はこうエールを送った。

「埼玉県の多くの高校生のなかから選ばれて甲子園に行くわけですから、いろんな人たちへの感謝を忘れず、今までやってきたことを信じてほしい。悔いなく思いっきり、甲子園を楽しんできてほしいです」

 13年ぶりに出場する甲子園初戦の相手は秋田の能代松陽(第5日)。勝ち負けは常にそこにある。だが、たとえ勝っても負けても、全力で挑んでいくその時間は、生涯忘れることのない大切な経験になるはずだ。

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