高校で野球をやめるはずが大学でドラフト候補に。名打撃コーチの指導で大阪観光大の久保修が頭角を現した (3ページ目)
抜群の身体能力を誇る大阪観光大の久保修この記事に関連する写真を見る とくに効果が現れたのは、スイング軌道の修正だった。久保は練習時からバットをアッパー気味に繰り出すスイング軌道だったが、伊勢コーチのアドバイスを受け練習時は「バットを上から落とすイメージ」に変えてみた。すると、試合では何も意識しなくてもちょうどいいバランスでバットが出るようになり、確実性が高まった。
181センチ81キロと肉体的にもたくましくなり、今春までに大学リーグ通算7本塁打(1部では3本塁打)をマーク。大学2年時から伊勢コーチに「プロを目指せる」と太鼓判を押され、現時点で希望進路は「プロ一本」と退路を断っている。
50メートル走5秒9、遠投120メートルの身体能力は高校時から自信を持っており、「足と肩は水谷にも負けたと思ったことはありません」と笑う。ただし、恩師の末光監督は「肩は高校時代からよかったですが、スカウトの方からも『えぐいで』と褒められるほど突き抜けるとは思わなかった」と明かす。
今後はさらなる打撃の進化が野球人生のカギになりそうだ。久保は目指す選手像として、「日本ハム時代の陽岱鋼さん(米独立/ドックハウンズ)」の名前を挙げている。
大阪観光大は文字どおり観光学部を設置した大学で、学生の大半は外国からの留学生。もし久保がドラフト指名されれば、初のプロ野球選手になる。
まずは故障した足を完全に治し、全力疾走できる体調を整えるところから。試合前のキャッチボールからスタンドを釘づけにできる稀有なパフォーマーは、勝負の秋に野球人生をかける。
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