日本文理・田中晴也は投打で全国クラスの逸材。新潟の高校生として初のドラフト1位も視野に (3ページ目)
全国の打者を屈服させるストレート、空振りを奪える変化球。この2点の必要性を感じ、取り組んだ。週2回のウエイトトレーニングに励む一方、初動負荷トレーニングで関節の可動域を広げることも忘れなかった。身長186センチ、体重91キロの肉体は、強さと柔らかさが共存している。田中は体づくりへのこだわりをこう語る。
「もともと瞬発力がないほうだったので、体が重くなりすぎないよう管理に気をつけていますし、瞬発力をつけるトレーニングをしてきました」
目標は世界で通用するピッチャー
今春の新潟大会では力感のないフォームから最速148キロを計測するなど、バックネット裏に陣取るスカウト陣へ進化を見せつけた。また、打者としても決勝戦で満塁弾を含む2打席連続本塁打と強烈な存在感を放った。
夏に向けて、田中はさらなる進化をもくろんでいる。
「春はスピードこそ出ていましたけど、そこまでバッターを押せていませんでした。今は左手のグラブでロックをかけて腕を走らせ、加速するようなボールにできるよう取り組んでいます。右足がギリギリまでプレートについて上半身を後ろに残すイメージで、腕が少し遅れて出てくるように投げたいんです。その少しの間(ま)でバッターを差し込めると思うので」
意外なことに、現時点では進路は未定だという。「プロで活躍するのが目標」としつつも、大学進学の可能性も残している。とはいえ、最終的な成功イメージは頭にはっきりと描いている。
「自分の好きなピッチャーはダルビッシュ有さん(パドレス)なんですけど、いずれ力をつけて世界でも通用するようなピッチャーになりたいです」
もしプロ志望届を提出すれば、間違いなく高校生の中心的存在になるだろう。過去に新潟県の高校からドラフト1位指名された選手はいない(社会人経由なら1991年に日本文理OBの吉田篤史[元・ロッテほか]がドラフト1位指名を受けた)。
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