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阪神ドラ1・森木大智「消えた天才だけにはなりたくなかった」。高校入学時から苦悩と挫折を重ねた3年間 (6ページ目)

  • 寺下友徳●取材・文 text by Terashita Tomonori
  • photo by Terashita Tomonori

「濱口先生が最後なので、出しにいっていた中学3年の150キロとは違って、チームが勝つために自分のよさを出すことが大事でした。そのよさはストレート。真っ直ぐを生かす配球をしたら、狙っていないのに(自己最速が)出たんです」

「明徳義塾が夏にこのままでは終わらないと思っていたが、自分のやりたい野球はでき始めた」と森木。2021年のスタートは、そのままスカウト陣の高評価につながったのであった。

【目標は、野球人として成長】

「もがき苦しんでいた時期が長すぎました。2021年初頭に気づいたことをもっと早く気づいていれば......。時間が足りなかったです」

 最後の夏を客観視しつつ振り返る森木。高知大会決勝戦でお互いに「アイツがいるから成長できた」と認め合うライバル・代木大和(明徳義塾、読売ジャイアンツ6巡目指名)と投げ合うも最終盤に力尽き、ついに甲子園に届かなかった。しかし、野球の神様はプロの舞台で聖地甲子園に到達する機会を与えてくれた。

「本当にうれしかった」。阪神タイガース1巡目指名。「今はキャンプで投げている姿や、甲子園で巨人相手にストレートで三振をとるイメージをしています」と話し、一瞬、野球少年に戻ったような表情を見せた森木。プロでの目標を聞かれると、笑顔を真剣な表情に戻してこう答えた。

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