「怪物中学生」と呼ばれた高知・森木、甲子園へのラストチャンス。今夏の仕上がりにスカウトは「すごくいい」

  • 寺下友徳●取材・文 text by Terashita Tomonori
  • Photo by Terashita Tomonori

今年7月3日、大阪桐蔭との練習試合に登板した高知3年の森木大智今年7月3日、大阪桐蔭との練習試合に登板した高知3年の森木大智この記事に関連する写真を見る【異次元な「中学野球界の怪物」】

 2018年8月2日。愛媛県松山市の坊っちゃんスタジアムで行なわれた四国中学校体育大会の決勝戦。文部科学大臣杯第9回全日本少年春季軟式野球大会を制した高知中のエース・森木大智は140キロ後半のストレートを投げ込み、四国制覇へ向かっていた。付属校の高知高監督に転ずる濵口佳久監督にはなむけの試合でもあった。

 最終回の7回表、ふたつ目のアウトを2番打者から空振りで奪った次の瞬間、スコアボードには日本中学野球界で見たことのない数字が灯った。

 150キローー。

「僕はベンチからあのボールを見ていましたが、レベルが違っていました」

 対戦相手だった当時の西予市立三瓶中の4番で、今夏は八幡浜高の主将として愛媛大会の選手宣誓も行なった山本宙がそう語る、異次元の世界。

「自分としても目標にしていたので、思い切り腕を振って投げた」と森木。その記録により後日、全国版のスポーツニュースで取り上げられ、森木は「中学野球界の怪物」として一気にスポットライトを浴びるようになる。

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