常総のエースが母校監督になり34年ぶり甲子園。センバツでも強運発揮か
『特集:球春到来! センバツ開幕』
3月19日、2年ぶりとなるセンバツ大会が開幕した。スポルティーバでは注目選手や話題のチームをはじめ、紫紺の優勝旗をかけた32校による甲子園での熱戦をリポート。スポルティーバ独自の視点で球児たちの活躍をお伝えする。
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1987年の春、開校4年目で甲子園初出場を果たした常総学院のマウンドにいたのが、島田直也だった。初戦で明石(兵庫)に敗れたが、夏も出場。初戦で福井商を破って甲子園初勝利を挙げると、沖縄水産、尽誠学園(香川)、中京(現・中京大中京/愛知)、東亜学園(西東京)を破って決勝進出。
決勝では立浪和義、片岡篤史らを擁して春夏連覇を果たしたPL学園(大阪)に敗れたものの、堂々の準優勝を飾った。その快進撃の立役者が、伊良部秀輝(尽誠学園→ロッテ1位)や川島堅(東亜学園→広島1位)に投げ勝った島田だった。
昨年7月に常総学院の監督に就任した島田直也(写真右)。左は主将の田辺広大 あれから34年、かつてのエースが監督として甲子園に帰ってくる。
島田は87年にドラフト外で日本ハムと契約し、その後、大洋(現・横浜DeNA)、ヤクルト、近鉄(現・オリックス)でプレーし、2003年まで現役を続けた。引退後は独立リーグ、NPBで監督、コーチを務め、2020年3月に学生野球資格回復が認められ、コーチとして母校に復帰。だが、監督就任は突然だった。
「今までいろんなところでコーチ、監督の経験はありますけど、高校野球は初めて。2、3年はピッチャーの勉強をさせてくれと言っていたんです。(コーチ就任時は)ピッチャーをなんとかしようとしか考えていなかった」
ところが、母校復帰わずか4カ月後の7月、茨城県の独自大会で多賀に敗れると、2日後に監督就任が発表された。
「(心の)どこかで、いつかはなるんだろうなというのはありましたけど......」
あまりにも早い監督就任だったが、一方でこんな思いもあった。
「茨城といえば常総だったのに、(2016年夏以降、甲子園から遠ざかり)そうなっていない。OBとして悔しい思いもありました。僕の力でなんとか変えたいというのはありました」
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