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常総のエースが母校監督になり34年ぶり甲子園。センバツでも強運発揮か (2ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • photo by Sankei Visual

 就任してまず選手たちに伝えたことは、復帰直後から気になっていたことだった。

「指示を出されないと何もやらない。練習前もガヤガヤしゃべっているんです。今までNPB、独立リーグで指導してきたので、言われなくても当たり前にできるものだと思っていたら......まったくでしたね」

 指示されないとやらないということは、指示さえすればやるということ。そう考えた島田監督は、練習開始時にその日のメニューを伝えるようにした。選手たちを複数の班に分け、プロ野球のキャンプのように時間ごとに打撃練習をする班、守備練習をする班......といったようにローテーションで回すように変更した。

「当然、レギュラーだけで思いきりやったほうが効率はいいのかもしれないけど、それだと底上げはできない。なので、チームとして同じ練習を同じ時間やらせて『オレの野球はこういう野球だ』と浸透させました」

 その一方で、長時間練習はせず、選手たちに自主性も植えつけた。

「『あとの時間はおまえらの練習だ』と。練習は自分で見つけてやるものだと思っているので。全体練習が終わっても、寝るまでに3〜4時間ある。そこで何をやってるの、と。体幹(トレーニング)だってできるし、いろんなことができるわけじゃないですか。足りないものは自分で見つけてやる。それが練習だと」

 また、選手たちに「高校野球をどう考えているのか。どうなりたいのか」というビジョンを提出するように求めた。

「ほとんどの子は『試合に出られればどこのポジションでもいい』みたいな感じだったんです。背番号をもらえて試合に出られればいいという感じ。それは違うと思いますし、それでは競争に勝てないですよね。出るからには責任感を持ってやってもらわないといけない」

 昨年秋の大会は「背番号3で4番を打ちます」と提出した青木良弘をそのとおり4番に起用してスタートしたが、結果が出ないと降格。同じく県大会で1番・サードだった塙紫音は不振で、関東大会は背番号15に変更となった。

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