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超進学校のサプライズなるか。165センチ、
138キロ左腕がプロ志望届を出した理由 (3ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • photo by Sankei Visual

 練習会で長曽我部は打者5人と対戦。2つの三振を奪い、無安打(内野ゴロ2つと外野フライ)の好投を見せた。自分の実力を測ることはできたのだろうか。

「キャッチボールの時の球の伸びとかを見て、フィジカル面で上だなと思う選手はいました。でも、バッターを抑えるための投球術とかはそんなに変わらないかなと。総合的に考えたら、練習会に出ていた選手とは渡り合えると感じました」

 ただ、今回の練習会は明らかにドラフトで指名されそうな選手は参加していなかった。そのことに話を向けると、こんな答えが返ってきた。

「やれるところまでやって無理なら仕方ない。でも、やる前からあきらめるのは嫌なんで。自分の可能性を信じているし、もっとやれるんじゃないかという気持ちが強いです」

 自らに"限界線"を引かない。これは成功する者に共通する思考のひとつだ。イチローもメジャーでの大きな活躍は難しいだろうと思われていたが、己の実力を信じ続け歴史をつくった。大谷翔平もプロで"二刀流"なんて......という声が多数を占めるなか、常識を覆してきた。

一芸でプロ入りを目指す隠れた逸材たち>>

 長曽我部にプロに行きたい理由を尋ねるとこう返してきた。

「身長があまり伸びなかったような子どもたちが、自分を見て自信を持ってくれたり、希望になってくれたらと思っています。そのためにもプロに行きたい」

 身長がもう少しあれば......と思うことはやはりあり、取材を受けるたびに身長のことを聞かれてきた。しかし、ある時からないものねだりはやめたという。

「身長が低いなら低いなりに優位なところもあるかなと思うようになって。ボールを離す位置が低い分、バッターにとっては普段のイメージとは違うボールが来ると思うし、右よりも左のほうが少ないから、余計にこの軌道は利点になるかなと......。そこに球のキレがあれば、なおさら持ち味になるんじゃないかと思うようになったんです」

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