2020.10.14

一芸でプロ入りを目指す隠れた逸材たち。
大化けの夢が広がる6選手

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kikuchi Takahiro

 10月26日開催のドラフト会議まで2週間を切った。連日、ドラフト上位候補に関する報道であふれている。

 しかし、ドラフト中位から下位で指名されながら、一流選手へと成長するケースがあるのもドラフトの面白いところだ。今季、筒香嘉智(レイズ)が抜けた穴を補ってあまりある活躍を見せる佐野恵太(DeNA)など、4年前のドラフト9位指名選手だった。

 なぜ佐野が下位指名だったかといえば、佐野が打撃面に特化した「一芸選手」だったからだ。明治大での佐野は「4番・ファースト」として秋の明治神宮大会優勝に貢献している。だが、プロではファーストは外国人選手が守ることが多く、よほど打力が高くなければレギュラーを奪うのは厳しい。ハードルの高さゆえ、9位まで佐野が残っていたのだろう。

 しかし、すべてのバランスが整っていればいいというものではない。佐野だけでなく、「甲斐キャノン」を武器に、育成選手から球界を代表する捕手に成長した甲斐拓也(ソフトバンク)のような例もある。たとえプロ入り時の評価は低くても、一芸選手には大化けの夢が広がるのだ。

 今年のドラフト候補のなかで、さまざまな角度から一芸選手をピックアップしてみた。

神奈川大学リーグでヒットを量産している関東学院大の関龍摩 ひとり目は、バットコントロールという一芸を持つ関龍摩(関東学院大)である。

 関は神奈川大学リーグで通算106安打(10月11日現在、以下同)を放っているヒットメーカーだ。1年春からコンスタントに結果を残し続け、今春のリーグ戦が中止になっていなければさらに数字を伸ばしたことだろう。

 しなやかにバットを振りこなしている証拠だろう、打席での関はバットが長く見える。速球には強く、変化球には柔らかく、対応できる幅が広い。

 本人が打撃で大事にしている感覚は「グリップを残すこと」だという。

「グリップを残しておけば、そこから振れる幅も広くなりますし、右方向にも強い打球が打てますから」