高校野球芸人が選ぶ「野球漫画ベスト5」。『大甲子園』は松坂世代のようだった!? (5ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro

藤田 「めちゃくちゃリアルじゃん、なにこの漫画!」って、すげぇ衝撃を受けた記憶があるんだよ。俺はリアル路線が好きなんだよね。スポ根とかチームみんなで頑張ろうという作品が多い中で、残酷な漫画というか。俺の中では名作として評価が高いんだよ。

かみじょう 高校野球漫画は「最後は報われる」という作品が多いですもんね。僕も調べてみよ。

藤田 『大甲子園』と『バトルスタディーズ』はさっき語ったから割愛して、2位の『ダイヤのA』について。

かみじょう 少年漫画ですけど、どちらかというとリアル系ですよね?

藤田 そうだね。特待生のこととか、野球留学生の気持ちとか描かれているし。今までの野球漫画って、弱い高校を強くしていくのがセオリーだったじゃない? 『ダイヤのA』はそうじゃなくて、主人公(沢村栄純)が特待生として強豪校に入っていくのが面白いなと。脇を固めるキャラクターもいいから、その設定が生きてくるんだろうけど。ライバルの存在もあって、すごくいい漫画だと思います。ウチの子どもたちも夢中で読んでいるし。

かみじょう 漫画でルールを覚える子も多いですよね。最近、球児のお父さんから「『ドカベン』様々ですわ」と言われて。たとえ50年前の作品でも、今の子どもに響くわけですから。

藤田 子どもに野球を教えている時も助かるよ。例えば「力を抜いてピュッと投げる」という感覚を教えようとしたら、「沢村栄純がやってたやつだ!」とわかってもらえる。漫画は偉大だよ。

かみじょう 最後に1位の作品にいきましょうか。『ラストイニング』ですね。

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