「無失点男」、東北福祉大にあり。ヤクルト寺島成輝と甲子園で名勝負 (4ページ目)
冒頭でも記したように、3年になった山野は安定感抜群のピッチングを見せ、11月には侍ジャパン大学代表の選考合宿に召集され、代表候補35人のなかに選ばれた。そこで山野は、今の自分の実力を知ることができたという。
「初めてああいう場に立たせてもらって、全国レベルの高さを感じましたし、自分が今、どれくらいの位置にいるのか再認識できたというか、明確にすることができました。東京六大学のピッチャーと比べた時に、『まだまだ』と思う部分がありましたし、すごくいい経験になりました」
オフにはソフトバンクの工藤公康監督の現役時代の投球フォームを参考に、フォームを見直した。軸足から体重移動する際、一瞬だけ目線を足元に落とすマイナーチェンジ。手応えは上々だった。
「昨年まではプレートを押し込むという意識はなかったのですが、このオフから軸足で地面を噛むようにイメージしています。あと、あまりキャッチャーばかり見続けていると、頭が前に出てしまうので、目線を一度外す意味も含めて、そういうフォームにしました」
昨シーズンは、ソフトバンクからドラフト3位で指名された津森宥紀(ゆうき)がうしろに控えていたこともあり、精神的な部分で甘えがあったと、山野は言う。
「春は(リーグ戦を)投げ切る体力があったんですけど、1年を通してとなると、まだまだだなと思うんです。それが秋のリーグ戦後半のバテにもつながったのかなと......。昨年までは津森さんがうしろにいたので、安心して投げられていた部分もあったんですけど、今年は完投、完封できる体力をつけて、(投手陣の)軸としてやっていかなきゃいけない」
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