2020.04.11

「無失点男」、東北福祉大にあり。
ヤクルト寺島成輝と甲子園で名勝負

  • 永田遼太郎●文 text by Nagata Ryotaro
  • photo by Nagata Ryotaro

 大学球界に無双の左腕がいる。東北福祉大の左腕・山野太一(4年)だ。

 昨年は、仙台六大学の春のリーグ戦で36イニング連続無失点を記録するなど、5戦5勝、防御率0.00の成績を残し、最優秀投手賞を受賞した。

ここまでリーグ戦19勝0敗という圧倒的な成績を残している山野太一 そのあとに行なわれた全日本大学選手権の2試合(2回戦、準々決勝)でも、それぞれ6イニングを無失点に抑える好投で公式戦の連続無失点を48イニングに伸ばした。秋のリーグ戦で失点を許して連続無失点記録は70イニングで途切れたが、5勝をマークして、春・秋ともにリーグ戦優勝の立役者となった。

「昨年はランナーがサードにいても、あまり点を取られる気はしませんでした。たとえば、一死一、三塁の場面でも楽な気分で投げられていましたし、自然と記録は伸びていってくれました。ただ、記録は自分だけの力ではないですし、本当に守ってくれた野手のおかげ。そう思える場面が何度もありました」

 山野の最大の特長は、力感のない、ゆったりとした投球フォームだ。相手打者はまともにタイミングを取らせてもらえず、ある時は泳がされ、またある時は差し込まれ、凡打の山を築く。

 リリースポイントもギリギリまで隠れているため、140キロのストレートでも打者は球速表示以上の速さを感じてしまう。さらに、変化の違う複数のスライダーを使い分けるなど、大学球界屈指の左腕といえよう。

 普段の山野はとても明るい性格で、豪快に笑う表情が印象的だ。

「普段は周りの仲間とじゃれ合っています。暗くなったり、落ち込んだりすることもないですし、素の自分はいつもこんな感じです」