2019.05.07

名門に異変。ダルビッシュの母校が
ユニフォーム一新で再建を目指す

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kikuchi Takahiro

 今や時の人となった佐々木朗希(大船渡)。その写真や映像を目にした高校野球ファンのなかには、超人的なピッチング以前に大船渡のユニフォームにこんな感想を抱いた人もいるのではないだろうか。「東北高校のユニフォームに似ているな」と。

 東北は雄平(ヤクルト)やダルビッシュ有(カブス)の母校であり、言わずと知れた宮城県の名門校である。アイボリー地にピンストライプの入ったユニフォームは、多くの野球ファンの記憶にこびりついている。大船渡のユニフォームのデザインは、その東北とよく似ているのだ。

 ところがこの春、「本家」に異変が起きた。東北はユニフォームのデザインを一新したのだ。

昨年11月に東北高校の監督に就任した富澤清徳氏(写真右から2人目) 5月2日、仙台市民球場で行なわれた春の地区予選敗者復活戦。一塁側ベンチから登場した東北の選手を見て、最初は別のチームかと目を疑った。それほど印象がガラッと変わっていたのだ。

 やけにユニフォームがまぶしく見えるのは、地の色が白に変わっているため。さらに紺一色だった帽子のひさしにも白が入り、紺地のストッキングにも白が入っている。これらの変更は、昨年11月から監督に就任した富澤清徳監督の発案だという。富澤監督は「深い理由はないんですけど……」と苦笑しながら、変更の意図を語ってくれた。

「変えたいなと思って、私の判断で変えました。もともとのアイボリーが暗いというか、少し重いように感じていたんです。明るくしたいと思って白を入れました」

 とはいえ、すでに全国的にイメージが定着しているデザインだけに、OBやファンからの反発も予想される。今のところは一部OBから「変わったんですね」と言われる程度だという。今後、春から夏にかけて高校野球への関心が高まっていくにつれ、東北のユニフォームが変わったことは話題になるかもしれない。富澤監督も「まあ、言われるでしょうね」と覚悟を決めている。

 ただし、富澤監督にしてみれば「変えた」という意識と同時に「戻した」という感覚もあるようだ。富澤監督の選手時代のユニフォームはアイボリーではなく、白地だったからだ。