名門に異変。ダルビッシュの母校がユニフォーム一新で再建を目指す (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kikuchi Takahiro

 野手では富澤監督が「技術もメンタルも強くて、練習熱心」と評価する強肩強打のセンター・伊藤康人を筆頭に、能力の高い選手も目立つ。夏に向けては、石森ら投手陣の成長がカギを握りそうだ。

 富澤監督は「何年以内に甲子園、みたいな期限は設けていません。出られるものなら、今年すぐ出たいです」と語る。当然、最大のライバルになるのは仙台育英だろう。

「育英は結果も何もかもすべて上ですから。少しでも追いつけるようにやっていくだけです」

 そう言って、富澤監督は次戦の対戦校を視察するためにスタンドへと向かった。

 甲子園に出たいチームは、なにも仙台育英や東北だけではない。名門校、伝統校、中堅校、新興勢力。各校がしのぎを削るなか、東北が再び栄光を手にすることは生やさしいものではない。

 それでも白地のユニフォームのように、まぶしい輝きを取り戻すために。なりふり構わぬ名門の新たな挑戦が始まっている。

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