2017.11.30

大阪桐蔭のセンバツ優勝が見えた?
神宮大会の完敗が「吉兆」なわけ

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 野球シーズンも本格的なオフシーズンに入り、ファンの思いはひと足先に来季へと向かっている。大谷翔平のメジャー挑戦や清宮幸太郎のデビューなど、2018年の野球界は大きな盛り上がりを予感させるが、夏の甲子園大会が節目の第100回記念大会を迎える高校野球界も負けず劣らず大注目を浴びることだろう。

 そのなかで実力、話題性といった点からも、戦いの主役となりそうなのが大阪桐蔭だ。史上初となる2度目の春夏連覇に挑んだ今夏は、3回戦で仙台育英に惜敗。守りのミスが絡んでの逆転サヨナラ負けという悔しい結果に終わった。

投打で注目を集める大阪桐蔭の根尾昂 その後、新チームとなり迎えた秋。メンバーには来年のドラフト上位候補の根尾昂、藤原恭大、柿木蓮に山田健太、中川卓也、横川凱、宮崎仁斗と実力者がズラリと並び、大阪大会、近畿大会を制し、来春のセンバツ出場が”当確”となった。

 ただ、つぶさに戦いを振り返ると、チームとしてまだ安定した力を出せていない印象が強い。西谷浩一監督も先走り気味の評判の高さに、やんわりストップをかける。

「報道的にも大きく取り上げられていますが、力的には(ドラフト候補の)3人を含め、選手たちもチームもまだまだ。それなのにこれだけ注目してもらい、なかなか大変です」

 11月に行なわれた神宮大会でも、初戦から多くの報道陣が詰めかけ、試合後の取材でも、その強さを際立たせようとする質問が多く飛んだ。ある記者は「松坂(大輔)投手がエースだったときの横浜高校は神宮大会からセンバツ、選手権と負けなしでしたが……」と選手に問いかけ、別の記者は「神宮大会は普通にやれば優勝するでしょう」と、まさに「勝って当然」と言わんばかりの空気が漂っていた。