山﨑武司のドラフト注目打者10人。思わず「育てたい」と言ったのは? (10ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 大友良行、田口有史●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki、Taguchi Yukihito

PL学園時代から「福留二世」と注目を集めていた前野幹博PL学園時代から「福留二世」と注目を集めていた前野幹博前野幹博(ヤマハ/22歳/三塁手/右投左打)

穴は多いものの、スケールの大きなスラッガータイプと聞きましたが、バットを強く振れるのは魅力です。ただ、足を上げているものの、土と足のかみ合いが悪く、バランスが取れていません。軸足でグ~ッとためることができていないので、前へ打ちにいくのが早い。タイミングが合ったときは飛ばせるでしょうが、タイミングを外されると上半身で打つしかない。とくにフォークなど、落ちる系の球種にバットが止まらないのではないでしょうか。下半身で我慢する体の使い方ができれば、化ける可能性を秘めた打者だと思います。

         ※          ※          ※

 昨年も同じ時期に強打者タイプのドラフト候補について語らせてもらいましたが、昨年よりも今年のほうが完成度の高い打者が多いと感じました。とはいえ、昨年の細川成也選手(DeNA)のように、粗削りでも強くスイングできる打者こそ一番の魅力だと思っています。

 今回見た10選手のなかで、僕が「育ててみたいな」と思ったのは、安田尚憲くん(履正社高)ですね。現時点では清宮くんと比べても技術的な課題が目立ちますが、スケールに関しては清宮くんを上回ってもおかしくない素材です。スカウトもその点を評価しているはずですから、今後プロの世界でどう成長するのか楽しみです。

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