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山﨑武司が打撃理論でみる
「夏の甲子園、ドラフト候補7人」の将来性 (7ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 大友良行、岡沢克郎●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki、Okazawa Katsuro

昨年夏の甲子園で満塁本塁打を放った明徳義塾の好打者・西浦颯大昨年夏の甲子園で満塁本塁打を放った明徳義塾の好打者・西浦颯大

西浦颯大(明徳義塾高/右投左打/外野手)

すべての面でマイナス点の少ない、完成度の高い打撃をする好打者ですね。すでに形ができていてバランスもいいので、大きくいじるところがない。あとは体を大きくして、精度を高めていくことですね。あえて欠点を挙げるなら、バットは振れるものの上体の力で打ちにいく傾向があるところ。振りたい思いが裏目に出て、甘い球に対して「しめた!」と上体に余計な力が入って体がバラけて打ち損じてしまう。とはいえ、現時点でもファームレベルなら、ある程度結果を残せる打ち方をしています。

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 3年生のなかでは、やはり中村くんの打力が抜けているなと感じました。繰り返しになりますが、捕手は育成に時間がかかるポジションです。中村くんを獲得する球団は捕手として育成するか、打者としての才能を先に生かすか悩まされるでしょうね。

 そして今大会を見ていて率直に感じたのは、やはり「打球が飛び過ぎる」ということです。パワーのある打者が増えたこと、バットの性能が進化していること、好投手が少なかったことなど要因は多々あるでしょう。それにしても、「この打ち方、このインパクトでここまで飛ぶの?」という打球があまりにも多かった。この流れが続いてしまうと、打撃技術もクソもなく、ただ体に力をつけて金属バットで飛ばす野球になってしまいます。高校野球のレベルアップのためにも、対策を練ってほしいところですね。

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