2016.07.22

地方大会で見つけた100発コンビは、チームを初の甲子園に導くか

  • 安倍昌彦●文・写真 text by Abe Masahiko

 茨城に2人で通算100本塁打以上を放っているコンビがいると聞いた。ノーシードながらダークホースともいわれる明秀日立の細川成也と糸野雄星だ。

 初戦の古河三高戦。茨城には古河三高のほかにも、日立一、水戸一、鉾田一、下妻二、土浦三という"ナンバースクール"の学校が多く、なかなか手ごわい。地力は明秀日立が上と思われたが、そんなナンバースクールを相手にどんな戦いをするのか注目だった。

 ライトを守り3番を打つ細川(右投右打)は、投手としても140キロ後半のストレートを投げ、打っては高校通算60本以上。話題に挙がるには十分な数字を残している。

中学時代、やり投げで全国2位に入った実績を持つ細川成也 古河三のマウンドは左腕エースの須藤佑介。初回の投球練習を見ると、ストレートは決して速くないが、キレのあるスライダーがあって、カーブがあって、左腕投手独特の沈むシンカー系のボールもあって、"番狂わせ"を起こす可能性は十分にあった。

 案の定、細川はボールを待ちきれない。変化球で入って、ストレートを1つ見せておいて、また変化球。こういう投手を相手に、強引に引っ張って「レフトスタンドにぶち込んでやろう」なんて思ったら、相手の"思うツボ"だ。だが、細川はその"ツボ"にはまってしまった。

  気負って、体が早く開き、顔はレフト方向。そうなるとヘッドが下がり、ボールをこすって打ち上げる。「今度こそ!」と力むと、逃げていくシンカーを追いか ける形になり、バットが追いつかない。この日の細川は、フライアウトが2つに三振も2つ。注目のスラッガーの初戦は、じつはこういうことがよく起きるものだ。