【高校野球】最後の夏に懸ける全国の剛腕投手たち (2ページ目)
静岡には日大三島高の小澤怜史(3年/181センチ75キロ/右投左打)が、この春まで県内では抜けた存在だったが、春から夏にかけて本格派右腕のライバルが現れた。東海大翔洋高の杉山賢佑と駿河総合高の杉山一樹の「W杉山」である。
ともに長身から投げ下ろす140キロ台のストレートを武器にする"未完の大器"。このふたりが才能を開花させつつあったこの春、対照的に小澤は故障もありどん底の状態にあった。県岐阜商との練習試合では、高橋がいつも通りの安定したピッチングを見せた一方で、小澤は連打を食らい大量失点。最後の夏に向けて心配されたが、現在はそこから盛り返してきている。
6月の練習試合では球速も145キロ前後をマークして、強烈な腕の振りから放たれるフォーク、スライダーは面白いように打者のバットに空を切らせた。気合いのこもった投げっぷりの良さが特長だが、課題は本調子じゃない時のピッチングをまだ知らないこと。コンスタントに結果を残せる術を知れば、ワンランク上のピッチングができるはずだ。
大阪には履正社高の永谷暢章(3年/187センチ87キロ/右投右打)がいる。中学時代から大器と嘱望され、昨年春のセンバツでは140キロ後半をマークし、準優勝に貢献した大型右腕だ。ただ、好不調の波が激しい。大器であればあるほど、その落差も大きく、高校野球という2年3カ月では時間が足りないタイプかもしれない。しかし、この夏にかけて、永谷にいい意味で"変化"が見えてきた。
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