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【高校野球】最後の夏に懸ける全国の剛腕投手たち

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

甲子園で見てみたい全国の逸材たち~投手編

 県岐阜商の高橋純平(3年/183センチ80キロ/右投右打)と東海大相模高の小笠原慎之介(3年/178センチ82キロ/左投左打)が「左右の両横綱」として、頭ひとつ抜けた実力を見せつけるなか、彼らに続く逸材は誰なのか? そこで夏の地方大会が火ぶたを切ったこのタイミングで、甲子園で見てみたい剛腕投手たちを紹介したい。

昨年春のセンバツでチームの準優勝に大きく貢献した履正社高の永谷暢章昨年春のセンバツでチームの準優勝に大きく貢献した履正社高の永谷暢章

 まず、実戦でのしたたかさで注目したいのが岩手・花巻東高の高橋樹也(3年/175センチ77キロ/左投左打)だ。試合前のブルペン、そして試合開始直後はたまに球筋が乱れるのだが、いったんエンジンがかかってからのボールの活きの良さには、いつも感心させられる。ストレートも変化球も、ホームベースの上で実に"意地が悪い"。これは最上級のほめ言葉として受け取ってほしい。

 右打者の外にシュート回転で逃げていくボール。そして斜めに滑るように右打者の足元に食い込んでくるスライダーは、左打者にとっても視界から消えていく厄介なボールだ。このふたつのボールは、ホームベース上での激しい変化とともにコントロールがあることも脅威だ。この他にもチェンジアップやスローカーブもあり、本気で打者を翻弄してくる。打者のタイミングをかき乱すことを面白がっているような変幻自在のピッチングは、プロでいえばヤクルトの石川雅規とダブる。

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