2015.06.07

ドラフトの目玉。仙台大・熊原健人を変えた「プロの言葉」

  • 石井祥一●文 text by Ishii Shouichi
  • photo by Kyodo News

 6月8日に第64回全国大学野球選手権が開幕し、全国の26連盟を代表する大学が神宮球場、東京ドームに集い、覇を競う。今年は連覇を狙う東海大をはじめ、26年ぶりに東都大学リーグを制した専修大や、東京六大学リーグで完全優勝を果たした早稲田大学など実力校が揃い、見どころの多い大会になりそうだ。

プロ注目の最速152キロ右腕、仙台大のエース・熊原健人

 そんな中、プロスカウトたちから熱視線を集めているのが、仙台大のエース・熊原健人(くまばら・けんと)だ。仙台六大学リーグ戦では強豪・東北福祉大を2試合連続完封するなど、36イニング連続無失点を記録。昨年に続き、リーグ戦制覇の立役者となった。

 その熊原が一躍注目を集めたのが、昨年の11月。21歳以下のプロ・アマ混成チームで戦う野球のワールドカップ(台湾で開催)に出場した時だった。チームは決勝で敗れて準優勝に終わったのだが、その中でひと際輝いていたのが、当時大学3年生の熊原だった。

 身長178センチ、体重80キロと決して大きな体ではないが、熊原は150キロを超すスピードボールを連発。地元・台湾との決勝戦でも、9点ビハインドと敗戦濃厚の中、9回のマウンドに上がり151キロをマークした。結局、この大会で熊原は3試合に登板し、4イニングを投げて無失点。試合後は海外メディアから取材が殺到するなど、高い注目を集めた。

 熊原は、「この大会に参加させてもらったことで野球観が変わった」と言い、こう続ける。

「台湾に行く前のチーム合宿で、鹿取義隆コーチから投球フォームの際の左手の使い方を教わりました。そして大会期間中はジャパンのコーチである豊田清さんがつきっきりで指導してくれました。さすが元プロという指導で、教えてもらうことは知らないことばかり。コーチたちの話を聞いて、まだまだボールが速くなりそうな感覚がありました」