2012.09.07

【高校野球】最速160キロに高校通算56本塁打。
大谷翔平は投手か、野手か?

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Nikkan sports

18U世界選手権ではジャパンの4番を任されている大谷翔平「IBAF 18U世界選手権」に参加している大谷翔平(花巻東)が、注目を集める自身の「将来」について語ったのは、高校日本代表の国内合宿最終日だった。

「一度ピッチャーを諦めてバッターに専念してしまうと、後戻りできない。今はピッチャーとしての体作りをしながら、(プロ入り後は)球団の方の意見を聞いて判断したい」

 かねてより口にしていた「ピッチャーとして勝負したい」という気持ちを優先しつつも、球団側の意向によっては打者に専念する考えもあると明かしたのだ。プロ志望届けも提出していない現段階において、大谷がここまで具体的に「ドラフト後」について言及したのは、この時だけだ。

 大谷は岩手県大会準決勝で高校生史上最速となる160キロをマークしたが、決勝では盛岡大付に打ち込まれて甲子園出場を逃した。同じ大型右腕の藤浪晋太郎(大阪桐蔭)に比べて、安定度も変化球の制球やキレの面でも、まだまだ未完成の部分が多い。底知れぬ才能に誰もが惹かれてしまう一方で、現時点では投手として春夏連覇を達成した藤浪に一日の長があるのは火を見るより明らかであり、それゆえプロの球団としては高校通算56本塁打の打力に即戦力として、あるいは将来の主軸としてより大きな期待を抱いてしまう。

 世界選手権の開催地である韓国まで視察に訪れていた北海道日本ハムファイターズの山田正雄GMに大谷の発言を伝えると、次のような答えが返ってきた。

「素晴らしい判断だと思います。投手としても打者としても素材は一級品ですが、投手としては結果が出ていないし、まだまだの部分が大きい。現時点では打力の方が魅力だと思っています。パワーがあって、ボールの見極めが安定してできている。スイングスピードが速いから広角に打ち分けられるし、ミートする力もある。とはいえ、投手としても高校時代のダルビッシュと比べて遜色ない。まだ若いですし、最初は投手として挑戦して、のちに打者に転向するということでも、私はいいと思います」