2012.10.02

【高校野球】大阪桐蔭・藤浪晋太郎が語る
「憧れは藤川球児投手のストレート」

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

大阪桐蔭のエースとして史上7校目の春夏連覇を達成した藤浪晋太郎ドラフト候補インタビュー(1) 大阪桐蔭・藤浪晋太郎

「新聞を見ていても、藤浪は即戦力だと、1年目からの活躍を期待されるまでに自分の評価が上がってしまっている。ハードルが高くなっている。一度上がったものはもう下がらない。自分がそれに応えられるようにしなければいけない」

 岐阜国体の初戦(光星学院)を前に、大阪桐蔭の藤浪晋太郎はそう語ったという。つい数日前にインタビューを行なった時とは、まったく言葉が変わっていた。その時の藤浪は、「プロ1年目から活躍しようと思っているか?」という問いに、こう返してきた。

「自分では1年目から活躍したいとは思ってないんです。今年も高校からプロに行った1年目の選手が活躍していますけど、僕にはその思いがあまりなくて……。それよりもしっかり体を鍛えて、2年目、3年目から活躍できればいいと思っています」

 その理由を聞くと、「のんびり屋なだけかもしれないですけど」と笑ったあと、「ここ(大阪桐蔭)に来た時もそうだったんです」と続けた。

「大阪桐蔭に入学した時、最初、1年生部員全員が西谷(浩一)先生と面談をするんです。そこで目標を聞かれるのですが、ほとんどの選手は『1年の夏から試合に出たい』とか『ベンチ入りしたい』とか言ったみたいなんですけど、僕は『1年の秋からメンバーに入っていけたらいい』って言ったんです。今も、あの時と同じような感じだなと思います」

 藤浪は今の自分を客観的に見ることができる。今の自分を知っているから、足りないものも、やるべきこともわかっている。周りの評価や結果に惑わされることなく、自分自身の評価基準がある。いくら周りの評価は高くても、自分では「もっと、もっと」となり、口をつく言葉も慎重になる。