「加速が異次元」、佐藤水菜が5車身差でGⅠ女子オールスター競輪を圧勝 グランプリスラムの偉業達成に表彰式では涙 (3ページ目)
表彰式では涙
GI初出場となった2023年10月にオールガールズクラシックで優勝すると、その後、ここまでGIは6回出場して5回の優勝、2着が1回。その間、ガールズグランプリ2023も制しており、近年の佐藤はまさに敵なしとも言える状況だ。
レース後、同走した選手からも「(佐藤とのスピードの差は)そこはもうずっとそうなんで......」(児玉)、「加速が異次元。自分の回転が追い付かない感じがしました。児玉さんも結構いい速度でいっていたので、その上をあんな感じでいくと思うと強いですね」(小林莉子〔東京・102期〕)と、脱帽するコメントが相次いだ。
だが、勝って当たり前と見られるなかで力を発揮するのは簡単なことではない。「今がベストの状態ですが、結構、ギリギリの状態でやっています」と佐藤本人が語るとおり、かかるプレッシャーも相当なもののはず。表彰式では安堵感からか、涙を見せるシーンもあった。
翌週22日(金)からナショナルチームの選手として出場する「全日本選手権大会」があり、その後には世界選手権も控えている。次にガールズケイリンに戻ってくるのは11月の競輪祭女子王座戦となるか。そこを勝てば年間GI完全制覇とこちらも大偉業となる。
「少し休んで、全日本選手権は勝ちにいきます。(競輪祭女子王座戦に向けては)気持ちを立て直す時間があるので、またがんばります」
その強さはどこまで発揮されるのか。世界女王はこれからもガールズケイリンの伝説を作り続けていきそうだ。
歴史に名を刻んだ佐藤 photo by Takahashi Manabuこの記事に関連する写真を見る
【Profile】
佐藤水菜(さとう・みな)
1998年12月7日生まれ、神奈川県出身。高校卒業後に日本競輪学校(現日本競輪選手養成所)に入学し、2018年7月、19歳でデビュー。すぐに頭角を表すと、数々の特別競輪で優勝を飾る。20年7月から自転車競技のナショナルチームに所属し、24年のパリ五輪に出場。同年10月には世界選手権女子ケイリンで日本勢初の金メダルを獲得した。競輪では23年にガールズグランプリを制覇し、GI開催6度の出場で5回の優勝を飾っている。
フォトギャラリーを見る
3 / 3