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「加速が異次元」、佐藤水菜が5車身差でGⅠ女子オールスター競輪を圧勝 グランプリスラムの偉業達成に表彰式では涙 (2ページ目)

  • PR 加藤康博●文 text by Kato Yasuhiro

 またナショナルチームで佐藤の後輩となるプロデビュー2年目の新鋭、仲澤春香(福井・126期)は今年6月のパールカップに続き、2度目のGI決勝進出。今回の女子オールスター競輪では準決勝で佐藤と同走し、残り1周で先に仕掛けたが、佐藤にあっさり前に出られるとその背中を捉えることができなかった。

 ただ初日に使い始めたチェーンが馴染み始めたことに好感触を感じており、「準決勝では焦ってフラフラしてしまった部分があったので、落ち着きながらも自分の力を出せるように、精神的な部分で向かっていきたい」と初タイトルへのカギをメンタルに置くコメントを残していた。

自分のタイミングで全力を出し切れた

 決勝は日中から降り続いた雨はほとんどやみ、湿度が高いコンディション。20時30分に号砲が鳴った。

 1周目は太田美穂(三重・112期)が先頭に立ち、柳原真緒(福井・114期)がつづく。仲澤は隊列に入れず、中団で外側を並走。佐藤は5番手、児玉は最後尾でレースを進める。

 2周目を終え、最後の周回へ入る瞬間、まず仲澤が先頭に立って主導権を取りにいった。その背後に児玉がつき、一気にペースを上げていく。直後、そこまで後方にいた佐藤が発進。先頭にいた児玉がそれを受けて立つが、佐藤は驚異のダッシュ力で一気にかわすと3コーナーを過ぎてのカーブまでに大きなリードを形成。その差を縮めることなく、ゴール線まで駆け抜けた。

「並びは自分の思うとおりでした。しっかりと脚力をためて、自分のタイミングのときに全力を出し切れたかなと思います。(最後の周回は)人の動きしか見ていなかったので、距離感覚が全くない状態でがむしゃらにもがいてしまったので、 どこがゴールなんだろうという不安はありました。でもしっかりと前に踏み込むことだけを徹底して、自分が1番で入れたのですごくうれしかったです」

 2着とは5車身の大差。まさに圧巻の優勝劇だった。

他を圧倒するスピードを見せてゴール線を通過する佐藤(1番車・白) photo by Takahashi Manabu他を圧倒するスピードを見せてゴール線を通過する佐藤(1番車・白) photo by Takahashi Manabuこの記事に関連する写真を見る

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