水野裕子「芸能界No.1女子アスリートの肩書きは重かった」 完全制覇を逃した『KUNOICHI』は「今も夢に見る」 (3ページ目)
【五輪キャスターで学んだスポーツの意味】
ーーその他にも思い出深い仕事はありますか?
2006年トリノ五輪のキャスターとして1カ月ほど現地取材したことです。
「芸能界No.1女子アスリート」みたいな肩書きをもらうようになりましたが、同時に「そんなにトレーニングして何がしたいの?」「体育会系の人ってジッとしているの好きじゃないんでしょ?」といった言葉が耳に入ってくるようになって、すごく気になっていました。
もちろんごく少数なんですが、スポーツや運動をする人へのある種の偏見があるなかで、自分がスポーツをする意味、スポーツを伝える意義を考えることが多々ありました。
そんな時に、オリンピックを生で観戦して、「スポーツの意味ってやっぱりこの感動があるからだよな」とあらためて知らされたんです。
ーー具体的にどの競技でそう感じましたか?
フィギュアスケートの荒川静香さんの金メダルですね。あれは本当にスゴかった。
荒川さんの演技が始まった時に、会場の空気がひとつになる瞬間を感じました。ライバル選手や各国の観客がかもし出していた会場の緊張感はパッとなくなったというか、演技終了後は国を越えて会場全員がスタンディングオベーション。
競技の場であんな空気がつくり出されたことに私は衝撃を受けて、これがスポーツがもたらす熱狂なんだなと。
この経験で、スポーツは視聴者から何を求められているかという目線が自分のなかではっきりして、私のようなアスリート出身じゃないタレントが、スポーツを通して何を伝えればいいかが少しわかった気がします。
30代で大学に通い管理栄養士の免許も取得したこの記事に関連する写真を見るーー中編では、40代になってからの水野さん流トレーニングメソッドについて聞きたいと思います。
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後編<水野裕子のバスケットボール人生...スパルタな部活時代、男子W杯のフィンランド戦は「嗚咽するくらい泣きました」>を読む
【プロフィール】
水野裕子 みずの・ゆうこ
1982年3月8日、愛知県生まれ。1998年、SONYのキャンペーンオーディションに合格し、芸能界デビュー。『王様のブランチ』(TBS系)など数々のテレビ番組で活躍。2000年代に「クイーンズチャレンジバトル」や「KUNOICHI」などのスポーツ企画に挑戦し、「芸能界No.1女子アスリート」の異名をとる。2019年に修文大学健康栄養学部管理栄養学科を卒業し、同年、管理栄養士の資格取得。『THEフィッシング』(TX/TVO)、『NBAマガジン』(NHK)など、バスケットボールや釣り関連の番組・雑誌でも活躍している。
著者プロフィール
武松佑季 (たけまつ・ゆうき)
雑誌ライター。1985年、神奈川県秦野市生まれ。編集プロダクションを経てフリーランスに。インタビュー記事を中心に各メディアに寄稿。東京ヤクルトファン。サウナー見習い。
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