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尾崎世界観「人生とプロ野球が重なり合う瞬間がある」。大ファンのヤクルトがピンチを無失点で抑えたら「別れた彼女に連絡してみよう」 (4ページ目)

  • 白鳥純一●文 text by Shiratori Junichi
  • 山口直也●撮影 photo by Yamaguchi Naoya

――尾崎さんはクリープハイプのフロントマンでありながら、飯田哲也さん、田中浩康さん、清水投手など、どちらかというと「縁の下の力持ち」的な選手が好きな印象を受けました。

「理由はわからないんですけど、昔からそういった選手が好きなんです。クリープハイプでは表に立っていますが、ロックフェスのラインナップに置き換えると、そこまでメインではない。ヘッドライナーを務めるような"人気者"がいるからこそ、クリープハイプのポジションがあると感じていて。『音楽界の清水投手』のようなポジションを、自ずと目指しているのかもしれません」

――9月23日には、尾崎さんも始球式に登場されました。最後まで優勝を争ったDeNA戦(神宮球場)での登板でしたが、いかがでしたか?

「DeNAとの優勝争いは、めちゃくちゃ面白かったですね。シーズン中は『もしかしたら逆転されるかもしれない。けっこうヤバいな......』と、怖さや不安を感じながら過ごしていました。もう『大丈夫かもしれない』と思ったのは、8月14日のDeNA戦(神宮・4―1)でした。久しぶりに1番で起用された山田哲人選手がいきなり先頭打者ホームランを放って、連敗を7で止めた。優勝に向けて、チームが勢いづいた試合でしたね」

――今季のDeNAは、本拠地の横浜スタジアムで17連勝も記録しました。

「『本当に凄い』と思いました。今季は1回だけ横浜スタジアムに行ったんですが、試合後のヒーローインタビューなど『チームの勝つ喜び』を共有するさまざまな演出、ファンサービスが徹底されている印象でした。普段は神宮球場で野球を観ることが多いけれど、他の球場に足を運ぶことでまた新たに神宮球場の魅力を知ることができるし、ヤクルトへの愛着も深まる。来季以降もいろんな球場へ足を運んでみたいと思いました」

――神宮球場にも、つば九郎の『空中くるりんぱ』などのお馴染みのイベントがありますね。

「その時の試合展開や、気持ちの余裕があるかどうかによって見え方が変わりますね。『今日は惜しかったな』と思う日もあれば、あまり印象に残っていない時もある。3回裏にも、『つばみちゃんとあそぼう!』という、小さいお子さんがあみだクジに挑戦する企画があるんですけど......試合に勝っている時には『子供たちを大切にしていて素晴らしい!』と思うのに、負けていると『つばみが線を引いてくれるから、結局みんな当たるようになっているんだ』という具合に、自分の心の荒み具合がわかる(苦笑)」

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