尾崎世界観「人生とプロ野球が重なり合う瞬間がある」。大ファンのヤクルトがピンチを無失点で抑えたら「別れた彼女に連絡してみよう」 (3ページ目)

  • 白鳥純一●文 text by Shiratori Junichi
  • 山口直也●撮影 photo by Yamaguchi Naoya

――ヤクルトは2015年にリーグ優勝を成し遂げましたが、それまでの10年間にBクラスを6度経験するなど、下位に低迷するシーズンも多かったように思います。

「最下位に終わった2014年(60勝81敗3分 勝率.426)は、15回くらい球場に行きましたが、2回しか勝ち試合を観られませんでした。その中でも印象に残っているのが、シーズン最終戦のひとつ前の試合(2014年10月6日)です。

『また負けか......』と思っていたら、当時DeNAにいた山口俊投手から山田哲人選手が満塁ホームランを打って。『3ボールだから、押し出しを選んでくれたら1点差になって、追いつけるかも』と思っていたところでの本塁打で、よく覚えています。負け続けていたシーズンだからこそ『この瞬間のために観ている』と思えた試合でしたね。最下位だった2017年には、10点差を逆転した試合もありました。そういうことがあると、より応援に熱が入ります」

――その後、2年連続最下位などの低迷期を乗り越えた球団は今季、セ・リーグ連覇を達成しました。中でも、日本人シーズン最多本塁打記録を更新(56号)した村上宗隆選手の活躍が注目を集めましたが、尾崎さんはどのような思いで見ていましたか?

「外国人の4番打者が多かったヤクルトには、あまりいないタイプの選手ですよね。村上選手の打撃は凄すぎて、ヤクルトに所属してくれていることにもうあまり現実感がないです」

――現在のチームで、一番応援している選手は?

「中継ぎの清水昇投手ですね。打たれてしまった時の悔しそうな表情にも惹かれています。試合終盤の絶対に点を取られてはいけない場面で出てくる投手なので、点を取られてしまった時のことがより印象に残っているんです」

清水投手のタオルなど、尾崎さんの私物のグッズ清水投手のタオルなど、尾崎さんの私物のグッズこの記事に関連する写真を見る――今シーズンの清水投手は、50試合に登板し、安定した投球(防御率1.16 5勝4敗28ホールド)で、セ・リーグ連覇に貢献しました。

「以前、『被本塁打数を気にしている』という清水投手のインタビュー記事を読んだんですが、今季の清水投手は1本しか本塁打を打たれなかった。有言実行で目標を成し遂げるのは本当に凄いし、『いつか抑えになってほしい』と思いながら応援しています」

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