『呪術廻戦』はプロレスに通ずる。ケンドーコバヤシが選ぶバトルシーンBEST3 (2ページ目)
── どちらも「屋根の上の戦い」という(笑)。
「僕らはババ抜きでのバトルでしたけどね(笑)。さらにその直後には、近くのダムから落ちてしまって高所恐怖症になったんです。実は、その事件にもいとこが絡んでいて。密かに俺を呪い殺そうとしてるんちゃうかって思いましたよ(笑)」
── 続いてバトルシーン第2位は?
「両面宿儺(りょうめんすくな)vs漏瑚(じょうご)です。まぁ漏瑚が好きっていうのもあるんですけど、彼が戦いの終わりに、花御(はなみ)や陀艮(だごん)と空想の中で語り合うという仲間想いなところがいい。最後、宿儺から言葉をかけられた時に、それで救われる漏瑚もかわいかったです。
現実の世界では、例えば五輪競技などでもなかなか敗者が輝くことは難しいですよね。『決勝戦で負けての銀メダルが一番嫌。だったら銅メダルのほうがいい』と、アスリートの方から聞いたことがあります。もちろん、見ている側からするとどんな結果でもすばらしいと思いますけどね。なので、この宿儺と漏瑚の戦いでは勝者ではなく敗者が輝くところが魅力ですし、一試合のストーリーとして見ても、かなりプロレスにも通ずるところがあります」
── 次はいよいよ、第1位をお願いします!
「虎杖悠仁(いたどり・ゆうじ)&東堂葵(とうどう・あおい)VS真人(まひと)ですね。これはいいバトルでした。東堂の"不義遊戯(ブギウギ)"の能力をフルに使っての入れ替え戦法がものすごく効いていて、『ルチャリブレ(メキシコ式プロレス)』を見ているようでしたよ。ルチャリブレって"自由な戦い"っていう意味でもあるんですけど、その名の通り、タッグマッチの場合はタッチなしで別の選手がリングに上がれるんです。 だからルチャドール(ルチャリブレのレスラー)も、このバトルを見たら食いつくと思います(笑)。
僕は東堂が好きなんですけど、この戦いで平家物語の冒頭をそらんじながら登場したシーンを見て『どんだけカッコえぇねん!』って思いましたよ。そのシーンを見て以降、テレビなどでも同じような登場をしたいとずっと狙ってるんですが、それに合ったシチュエーションに巡り合わないんですよねぇ......」
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