インザーギ激怒。一触即発のミランを本田圭佑は救えるか

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari  利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

オフィシャル誌編集長のミラン便り2014~2015(29)

 前回のコラムで予告したように、タイ人ブローカー、ビー・テチャウボン氏がミランの筆頭株主となるべくミラノに乗り込んできた。ミランの将来はまだ定まらない。しかし組織よりも、チーム自体が現在、大変混乱した事態に陥ってしまっている。

 土曜日(4月25日)の午後、ミランは敵地でウディネーゼと対戦した。ウディネーゼとはここ最近の6回の対戦で、ミランは4回敗れている。ヨーロッパリーグ出場権を追い求めるためには絶対に負けられない試合であり、ミランは細心の注意と闘志を持って戦うべきだった。

 しかし試合の内容は――ミラニスタの神経を逆なでするようなものだった。ミランのプレイは信じられないほどひどかった。試合を長く、広く支配していたのはウディネーゼで、モチベーションも彼らの方がずっと高かった。

4月29日のジェノア戦で先発が予想される本田圭佑(BUZZI/FOOTBALL PRESS)4月29日のジェノア戦で先発が予想される本田圭佑(BUZZI/FOOTBALL PRESS) この試合、ミランが最初のコーナーキックを得たのはなんと後半も40分になってからだった。ミランの不甲斐ないプレイを象徴するデータである。この敗戦(スコアは1-2)でミランの希望の光は完全に消えた。そして後に残ったのは1月にサッスォーロ、アタランタに連敗した時よりも、もっともっと深い闇である。

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