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「人生は掛け算」元競泳日本代表のテレビ局社員・今井月が後輩に伝えたいセカンドキャリアの心得 (3ページ目)

  • 牧野 豊●取材・文 text by Yutaka Makino
  • 岸本 勉●撮影 photo by Tsutomu Kishimoto

【充実の日々、そして未来へ】

──そこは大きいですね。

今井 めちゃくちゃ大きいです。兄が水泳をやめたあと、大手保険会社に就職して社会人として頑張っているんだから、自分も競技を終えた後は充実した人生を歩みたいなという思いはずっとありました。だから、兄が興味を持っていたテレビ局も、就職先として頭の片隅にあったと思います。「俺より幸せになれよ」という言葉は、ずっと私の励みになっています。

──今は幸せですか。

今井 幸せ、なのかな? というより、すごく充実しています。報道局なので何が起こるかわからない刺激的な毎日を送っています。自分のやりたい企画を自分なりの形で進められることもやりがいを感じますし、先日担当させていただいた(競泳の)池江(璃花子)選手の企画でも自分にしかできない取材の仕方を模索して、あれこれ考えるのもすごく楽しかったです。

──将来の夢や目標はありますか。

今井 やはり結婚もしたいですし、家族もほしいですが、人生を通して仕事とちゃんと両立していきたい気持ちは強いです。まだ入社2年目で、できることが全然少ないことも痛感しています。同期と比べても、世間のことをまだ知らないと感じますし、できることも少ない。

 でも、時間をかけていろんなことを学び、報道でもっと記者らしい仕事をこなせるようにして、いつかはスポーツ局にも行きたい。さらにいえば、テレビ局の営業も経験して、お金の稼ぎ方やスポンサーとの関わり方なども学びたいという気持ちもあります。

 ただ今は、まず目の前の仕事をきちんとできるようになるよう、努力していきたいと思います。

●Profile
いまい・るな/2000年8月15日生まれ、岐阜県岐阜市出身。3歳の誕生日から水泳を始める。2012年の小6時に50m、100m、200m平泳ぎ、400m個人メドレーで学童新記録を樹立すると、岐阜西中に入学したばかりの2013年4月に初出場となった日本選手権の200m平泳ぎで3位入賞。一躍注目を集める。その後、順調に成長を続け、2016年に200m個人メドレーでリオデジャネイロ五輪(準決勝進出)、2017年も同種目でブダペスト世界選手権で5位入賞を果たす。その後は東洋大時代も含め長らくオリンピック、世界水泳の日本代表から遠ざかるが、2023年4月の日本選手権200m平泳ぎで自己ベストを更新して優勝を果たし、6年ぶりに世界水泳(福岡)代表となった(本大会は準決勝進出)。同年秋のアジア競技大会では200m平泳ぎで銅メダル獲得した。2024年3月のパリ五輪選考会を最後に引退。2025年4月にTBSテレビに入社し、現在は報道番組『Nスタ』のチーフアシスタントディレクターとして業務に従事している。

著者プロフィール

  • 牧野 豊

    牧野 豊 (まきの・ゆたか)

    1970年、東京・神田生まれ。上智大卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。複数の専門誌に携わった後、「Jr.バスケットボール・マガジン」「スイミング・マガジン」「陸上競技マガジン」等5誌の編集長を歴任。NFLスーパーボウル、NBAファイナル、アジア大会、各競技の世界選手権のほか、2012年ロンドン、21年東京と夏季五輪2大会を現地取材。229月に退社し、現在はフリーランスのスポーツ専門編集者&ライターとして活動中。

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