【パリオリンピック展望】日本競泳勢、瀬戸大也、本多灯、大橋悠依らは超速の海外勢をしのげるのか 伊藤華英が期待と危機感を語る (4ページ目)

  • text by Sportiva

【とにかく速い海外勢】

――近年では海外の選手たちの活躍が目覚ましいです。注目している男子選手はいますか。

 フランスのレオン・マルシャン選手は、昨年の世界水泳の400m個人メドレーでマイケル・フェルプス(アメリカ)の世界記録を破ったことで大きな話題になりましたし、200m個人メドレー、200mバタフライでも優勝しましたから、彼がパリオリンピックの主役になると思っています。今大会では、200mと400mの個人メドレー、200mの平泳ぎとバタフライにエントリーしていますので、瀬戸選手や本多選手、寺門選手の脅威になることは間違いないでしょう。

 100mと200mのバタフライにエントリーしているハンガリーのクリストフ・ミラーク選手も復活してきています。ミラーク選手、マルシャン選手としのぎを削って、本多選手と寺門選手には3位争いをしてくれたらうれしいですね。寺門選手には200mバタフライの準決勝で自己ベストを出す気持ちで臨んでほしいです。1分54秒台を出せば決勝に残れると思います。

 あとは100mと200m背泳ぎにエントリーしているイタリアのトマス・チェッコン選手もヨーロッパグランプリで強かったです。190センチと長身で細身なんですが、背泳ぎではそういうタイプの選手のほうが速い傾向がありますね。

――では女子選手の注目は誰ですか。

 まずはさきほども触れた、カナダのマッキントッシュ選手です。17歳と若いですし、本当に速い。昨年の世界水泳では2種目で金メダルを獲得していますし、5月には400m個人メドレーで世界記録も出しています。パリ大会では、400m自由形、200mバタフライ、200m個人メドレー、400m個人メドレーにエントリーしていますが、すべて金メダルを狙ってくるのは間違いないと思います。先日の公開練習では、100m自由形で一本に集中して全力を出しきる練習をしていましたが、練習用水着であっても、相当速く泳いでいました。後半の強さを確信するような泳ぎでした。

 アメリカのケイティ・レデッキー選手も注目です。ロンドン大会、リオ大会、東京大会の800m自由形で金メダルを獲得していますので、このパリ大会で金を獲れば4連覇になります。今回も400m、800m、1500mにエントリーしていますので、東京大会と同様、複数のメダルを獲るんじゃないかと思います。レジェンドスイマーであり、ロールモデルとも言えるアスリートです。

4 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る