【パリオリンピック展望】日本競泳勢、瀬戸大也、本多灯、大橋悠依らは超速の海外勢をしのげるのか 伊藤華英が期待と危機感を語る (2ページ目)

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 200m平泳ぎの渡辺一平選手や花車優選手にも期待しています。ふたりとも自分の力を発揮できれば、メダルを狙えると思います。渡辺選手は27歳ともうベテランですので、瀬戸選手同様、自分のレースをして決勝に残る、まずはそれが大事ですね。

 それから、さきほど話しました200mバタフライの寺門選手には「絶対に決勝に進んで」と伝えています。彼は代表選考会の時に準決勝が不調だったので、「決勝では思いきってやったらいいレースができました」と言っていました(準決勝3位→決勝1位)。ですので、予選と準決勝でイメージしたレースをしっかり行なうことがポイント。そうすれば、自ずと決勝へのチケットは見えてきます。すごく楽しみな存在だと思っています。

 同じく200mバタフライの本多灯選手は、2月の世界選手権でケガをしてしまって、それを選考会ではまだ引きずっているようでした。もしかしたら、ケガの面からみると、パリオリンピックの本番に絶好調で臨めないかもしれません。ただ彼は東京大会で銀メダルを獲得していますので、今大会も虎視眈々とメダルを狙っていると思います。彼がいいレースをできている時には、予選、準決勝、決勝、すべて全力なんですよね。ケガの影響があるのであれば、どうやって勝ちパターンに持っていくのかをコーチとしっかりと話し合いができていれば、いい結果が出ると思います。

――女子で注目の選手を教えてください。

 100m平泳ぎの青木玲緒樹選手も自己ベストを狙っていると思います。東京大会では予選落ちしたりして、これまでは国際大会だと力を発揮できない時がありました。自己ベストが1分05秒19(日本記録)なので、力を出しきり、4秒台が見えてくれば、表彰台に足がかかる存在なのは間違いないです。ほかの選手の様子を見ながら作戦を立ててくると思います。

 池江璃花子選手ですが、セッテコリ国際で50mと100mバタフライで2位に入ったことは見事です。ただそのレースを見る限り、まだ(泳ぎが)少し重たい印象がありました。それでも病気をされてから、ここまで戻してこれらたことは本当にすばらしいと思います。代表選考会後もオーストラリアでの試合、ヨーロッパでの試合で着実に力がついてきているのが、うかがえます。

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