【パリオリンピック展望】日本競泳勢、瀬戸大也、本多灯、大橋悠依らは超速の海外勢をしのげるのか 伊藤華英が期待と危機感を語る (5ページ目)

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 それから私は、オーストラリアのアリアン・ティットマス選手が一番好きですね。泳ぎがとにかくきれいで、無駄がないです。200m、400m、800mの自由形に出ますので、いい記録を出してくれると期待しています。

 そのほかにも男女ともにたくさんの注目選手がいます。男子50m自由形のフローラン・マナドゥー選手(フランス)、男子100m・200m平泳ぎのタン・カイヨウ選手(中国)、女子200m平泳ぎと200m個人メドレーのケイト・ダグラス選手(アメリカ)、女子100m・200m背泳ぎと200mバタフライのリーガン・スミス選手(アメリカ)、女子100m・200m自由形のモリー・オキャラハン選手(オーストラリア)なども金メダル争いに絡んでくると思います。

【レース時間も勝負のカギ】

――そのほか、パリオリンピックで注目すべき点はどんなところですか。

 レースの時間帯です。海外の選手の多くは、午前のレースだとタイムがでなくて、夜のレースだと速い印象があります。東京大会では予選を夜に行なったのですが、それだと予選のタイムが速くなる傾向があって、力を調整して予選に臨んだ実力のある何人かの選手たちが、脱落してしまいました。パリ大会では、予選を午前中にやって、準決勝・決勝を夜の時間帯にやるスケジュールになっています。そうなってくると、日本人選手にとっては準決勝で急にレベルが上がると予想して、そこに照準を合わせた調整をしていくほうがいいかと思っています。

――選手たちにはどんな気持ちで大会に臨んでほしいですか。

 競泳って泳ぐ立場の人は、正直苦しいんです。一直線の道を行って帰ってくるだけ。景色は変わらないし楽しさもあまりないです。だからこそ、泳ぎにその選手の生き様がすごく出ると思っています。苦しいからこそ、選手はひとりでは戦えません。一緒に苦楽をともにした仲間やコーチと一緒に戦うのが競泳です。選手たちもチームという意識を持って、団結して戦ってほしいなと思います。

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