【パリオリンピック展望】日本競泳勢、瀬戸大也、本多灯、大橋悠依らは超速の海外勢をしのげるのか 伊藤華英が期待と危機感を語る (3ページ目)

  • text by Sportiva

 また、東京大会で2つの金メダル(女子200mと400m個人メドレー)を獲得した大橋悠依選手ですが、今回は「決勝に残りたい」という控えめな発言をしています。というのも、個人メドレーはレベルが上がっていて、前回のようにはいかないからだと思います。大橋選手は準決勝にすべてを注いでくるのではないでしょうか。その意味での「決勝に残りたい」ということだと思います。

 そのほかの注目で言うと、200mバタフライの三井愛梨選手もメダルに近い存在だと思いますね。

――今大会では、若手選手たちにも期待が集まっています。代表的な選手で言うと、17歳の平井瑞希選手と成田実生選手となりますが、彼女たちをどのように見ていますか。

 平井瑞希選手は女子100mバタフライで選考会では56秒91を出していますが、6月に行なわれた、神奈川県高校総体では、56秒33の自己ベストを更新しています。まさに、伸び盛りです。メダルを手に入れるためには55秒前半が必要です。彼女がバルセロナオリンピック(1992年)で金メダルを獲った岩崎恭子さん(当時14歳)みたいに急激な成長を遂げれば期待はできます。伸び盛りの今を生かして、予選から自己ベストを狙い、決勝で日本記録(56秒08)を出せれば、入賞できると思います。

 成田実生選手については、6月のモナコでのレースを見ましたが、彼女の出場する400m個人メドレーのレベルが今はとても高くなっています。あとでお話しますが、同じ年のカナダのサマー・マッキントッシュ選手は5月の代表選考会で、世界記録(4分24秒38)を出しています(※成田の自己ベストは4分35秒40)。本当に速いので、私としては危機感を抱いています。世界で戦うためにも、新人として臨むのではなく、しっかりと戦ってきてほしいなと思います。

3 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る