萩野公介、衝撃の五輪デビュー。「怪物」「超人」との壮絶な戦い (2ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

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 萩野は五輪代表選考を兼ねた4月の日本選手権初日の400m個人メドレーで優勝し、当時の日本記録を1秒72更新する4分10秒26でアジア記録も更新した。さらに、6日目の200m個人メドレーでは、日本記録に0秒77まで迫る1分58秒01の高校記録で優勝。2種目で五輪代表の座を手にした。

 個人メドレーは、マイケル・フェルプスとライアン・ロクテという、アメリカが誇るトップスイマーがいる種目だ。フェルプスは08年北京五輪でリレー3種目を含む8冠を獲得した「怪物」。北京五輪200m背泳ぎを世界新で制したロクテは、09年と11年世界選手権で個人メドレー200mと400mの両種目を制した「超人」だ。萩野にメダルの可能性があったのは、大会前の出場選手ランキング3位で臨む400mだったが、ロクテとフェルプスはともに全米選考会で4分07秒台の記録を出していた。

 だが、萩野は初めての五輪にも臆することはなかった。

 ロンドン五輪は過去の大会とは違い、予選が行なわれる午前中のセッションも観客席は満員で大歓声が飛び交っていた。そんななかで「『五輪は予選からこんなにすごいんだ』と思って泳ぎました」と言う萩野は、有力選手が出てくる予選第3組で登場。最初のバタフライは日本記録のラップより少し遅れる入りになったが、次の背泳ぎでペースを上げると、平泳ぎでは日本記録を1秒上回る通過をして2位以下を引き離し、4分10秒01の自己新でゴールした。

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